男性で最も多い給与階級は「400万円超500万円以下」
こうした発言に批判が集まりやすい背景には、現実との大きな隔たりがある。
国税庁の「令和6年分民間給与実態統計調査」によると、日本の民間給与所得者のうち、男性の平均年収は587万円(男女全体では478万円)。原田アナの「2000万円」は平均の約3.5倍にあたり、年収2000万円を超える給与所得者は全体のおよそ0.6%にすぎない。
平均の587万円という額も、一部の高所得者層が引き上げている可能性がある。実際、男性で最も多い給与階級は「400万円超500万円以下」だ。
また、帝国データバンクの調査によると、2025年度の上場企業の平均年間給与は692.6万円。過去最高を更新したというが、それでも原田アナの「2000万円」にはほど遠く、控えめとも評された高橋さんの「800万円」にも届かない。
過去にも似たような発言はあった。医師でタレントの西川史子さんは2000年代後半に、「年収4000万円以上ない人には興味がない」などと公言。2007年の民間給与所得者の平均年収は430万円台となっており、現在以上の高望みだったといえる。西川さんに対する批判はあったが、視聴者も西川さんの「キャラ」に沿った"西川節"として半ばネタのように受け止めていたところもあった。
それに比べると、今は「2000万円」「800万円」といった年収に関する発言が激しい反発を招くようになった。
近年、日本の平均年収は緩やかに上向いているが、物価高が続くなかで、生活の実感としては苦しさを感じている人が多い。2000年代と比較しても、日本が「貧しくなった」という実感が広がっている。
かつてなら笑って流せたはずの「高望みトーク」に世間が過敏に反応してしまうのは、経済的な余裕を失っている「日本の今」を映す鏡なのかもしれない。