万全の状態でプレゼンに臨むつもりだったのに
しかし、相手は応じなかったという。やり取りが続いた後、車掌から小野寺さんへ提案があった。
「申し訳ございません。別の空いている席をご案内します」
揉めることを避けたかった小野寺さんは、仕方なく「その提案」を受け入れた。しかし、案内されたのは3人掛け座席の中央だった。
「仕事をするために窓側を予約していたのに、パソコンも充電できないんです。それでもプレゼンがありますから、資料を作成しないわけにはいきませんでした」
小野寺さんは、中央席でパソコンを開き作業を始めた。
なんとか資料を完成させることはできたものの、その時点でパソコンのバッテリー残量は、半分を切っていたそうだ。
「この後、クライアントのところでパソコンを使う予定でした。途中でバッテリーが切れたらどうしようと思って、生きた心地がしませんでした」
本来であれば、新幹線の車内で落ち着いて資料を仕上げ、万全の状態でプレゼンに臨むつもりだった。しかし、トラブルによって「その予定」は大きく崩れてしまったのだ。
「ちゃんと予約していたのに、自分が別の席へ移動することになったのは今でも納得できません」
訪日外国人の利用も多い新幹線では、言葉の違いから乗客同士で意思疎通が難しくなる場面もあるだろう。今回のように相手に意図が伝わらないときは、早い段階で乗務員に相談することも一つの方法だ。