「宅配便の不在通知に従っただけなのに」70代父親のスマホ代に加算された「身に覚えのない決済」

   宅配便の不在通知を装ったSMSから偽サイトへ誘導し、入力した情報を盗み取る手口では、クレジットカードを登録していなくても「キャリア決済」を通じて被害に遭う可能性があるので注意が必要だ。

   今回は、宅配便の不在通知を装ったSMSからキャリア決済の不正利用につながった事例をもとに、確認したいポイントをFPが解説していく。

  • 不在通知のSMSに従い、案内どおり操作してしまった…(写真はイメージ)
    不在通知のSMSに従い、案内どおり操作してしまった…(写真はイメージ)
  • 気づけばスマホ代に約3万円が上乗せされていた(写真はイメージ)
    気づけばスマホ代に約3万円が上乗せされていた(写真はイメージ)
  • 不在通知のSMSに従い、案内どおり操作してしまった…(写真はイメージ)
  • 気づけばスマホ代に約3万円が上乗せされていた(写真はイメージ)

月4500円ほどのスマホ代が3万円超に

   70代の父親を持つ50代の男性会社員から、こんな相談を受けた。父親のある月の携帯電話料金がいつもより大幅に高くなっていることに気づき、父親に確認したという。

   父親のスマホ代は普段、月4500円前後。ところが、その月は約3万4200円を請求されていた。

「何かスマホで買った?」

   男性が聞いても、父親は「何も買っていない。電話もいつも通りだ」と答えた。そこで男性が明細を確認すると、キャリア決済で9900円の利用が3回、合計2万9700円記録されていた。

   父親に見せても、「キャリア決済って何だ?」という反応。自分のスマホで、携帯電話料金と一緒に商品やサービスの代金を支払えること自体、知らなかったようだ。

   男性が「最近、SMSから何か手続きしなかった?」と尋ねると、父親は数日前の出来事を思い出した。 スマホに「荷物をお届けしましたが、不在のため持ち帰りました」といった内容のSMSが届いたそう。ちょうど通販で注文した商品を待っていたため、父親は自分の荷物だと思い、記載されたURLを押したという。

   そこで表示されたのは、宅配会社のサイトによく似た画面だった。父親は疑うことなく案内に従い、電話番号などを入力した。さらにスマホへ認証コードが届くと、その数字も画面に入力した。

   男性が「何のための番号か確認しなかったの?」と聞くと、父親はこう答えた。

「再配達の本人確認だと思ったんだよ」

   父親には、何かを購入したり、決済したりしている感覚はまったくなかった。ただ、荷物を受け取るための手続きをしているつもりだったのである。

   しかし、実際には宅配会社を装った偽サイトに誘導され、入力した情報がキャリア決済の不正利用につながったと考えられた。

   男性はすぐに携帯電話会社へ連絡し、利用履歴や決済設定を確認。関連するパスワードなども変更した。

   父親は「荷物が届く予定だったから疑わなかった。まさか、あのSMSが原因とは思わなかった」と話したという。

   見知らぬ相手にお金を振り込んだわけでも、買い物をしたわけでもない。本人は荷物を受け取ろうとしただけだった。その数分の操作が、約3万円の身に覚えのない決済につながったのである。(※プライバシー保護の観点から、内容を一部脚色している)

クレジットカードがなくても注意

   キャリア決済は、商品やサービスの代金を携帯電話料金などとまとめて支払える仕組みだ。

   そのため、「クレジットカードをスマホに登録していないから安心」とは限らない。とくに認証コードを求められた場合は、何の手続きに使う番号なのか確認したい。

   キャリア決済を普段使わないのであれば、利用上限を低くしたり、利用停止を検討したりするのも一つの方法だ。また、携帯電話料金は合計額だけでなく、決済明細まで確認しておきたい。

   宅配便を名乗るSMSが届いた場合も、記載されたURLから手続きを進めず、公式サイトや公式アプリから配送状況を確認することが重要だ。



【プロフィール】
石坂貴史/証券会社IFA、AFP、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、マネーシップス運営代表者。「金融・経済、住まい、保険、相続、税制」のFP分野が専門。

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