「間隔を空けてサイン会へ行ったら、『久しぶり』と声をかけられて嬉しかった」
そんなファンの話をたびたび耳にする。人はいい意味で予想を裏切られると喜びで胸がいっぱいになり、気分が高揚するものだ。
特に推し活現場ではそれが顕著に現れ、演者の記憶力や気遣いに感動して応援の熱量が上がるのもよくあること。人気者は誰かのハートを鷲掴みにするパワーを持つため、数多くのファンを獲得するのも頷けるだろう。
しかし、繊細なファンは「久しぶり」からしばらく経ったあと、ふとした不安に駆られる。「あれ、本当に覚えていたのか?」、「僕のこと、どのくらい覚えているんだ?」......と。
投げられた言葉をそのまま受け取る方が推し活ライフをエンジョイできるものの、確かに記憶力は少々気になるところ。よく水商売のキャストなども「相手のことをよく覚えている」などと言うが、実際のところはどうなのだろうか?
演者の「久しぶり」は半分本当で半分ウソ?!
さて、演者の記憶力問題だが、正直なことを言うと個人によって驚くほど差が出てしまう。
俗にいう「シゴデキ」(※仕事ができるの略)な人や記憶力がとても良い人は、少し喋っただけで脳内インプットが即・完了。イベントの常連客や、数ヶ月に一度の「カジュアルエンジョイ勢」などの把握が早いため、間隔が空いたファンに対して咄嗟に「久しぶり」の言葉が出る。
もし「前回は〇〇の話をしたよね」なんて話題が出たら100%覚えているということなので、安心していいだろう。非常に細かい部分まで記憶する演者もおり、「覚えててくれて嬉しいから」という理由で人気を獲得する例も多い。
ただ、反対に記憶がニガテだったり、覚える気があまりないタイプも一定数いる。失礼を承知のうえですが......男性客が多く集まる現場はみんな見た目が似たり寄ったりだったりする。
個性的な特徴がないと「おじさん・お兄さんたちの見た目が同じすぎて覚えられない」と一部の演者は混乱し、とりあえず常連客以外に「久しぶり」とカマをかける。久しぶりか否かは2分の1の確率であるため、まぁ当たればラッキーだが、外した時に気まずい空気になってしまう。
とはいえ、毎日のようにイベントを打つ演者などほぼおらず、セクシー女優のリリースイベントも月に1~2回。月イチ程度なら「久しぶり」も通用する可能性は高いだろう。もし外しても「え~、そう? 『私は』、久しぶりな気がしちゃう」と誤魔化せるので、うまいことやるケースも少なくはない。
ちなみに覚える気があまりないタイプは、そもそも2分の1の博打に出ない。なぜなら先ほど書いたように、間違えた時がサイアクだからである。よって、この手の演者は全員同じ対応になるテンプレートな定型文を用意するか、完全なる「ファンからの話しかけられ待ち」を貫き、なんとかその場をしのぐのだ。