朝の通勤時間帯は、多くの乗客で混み合う。身動きが取りにくい車内では、意図せず他人の身体に触れたり、足がぶつかったりすることもある。
国土交通省が2026年7月に公表した「都市鉄道の混雑率調査」によると、2025年度の東京圏における主要区間の平均混雑率は143%で、前年度の139%から4ポイント上昇した。
久我直人さん(仮名・30代)は朝の通勤中、車内で見知らぬ男性と口論になってしまった。
「俺の足を踏んだだろ!」身に覚えがなくて無視すると
この日、久我さんはいつものように、午前8時台の電車を利用していた。車内は多くの通勤客で混雑し、身動きを取るのも難しい状況だったという。
ある駅を出発した頃、久我さんは目の前にいた40代くらいの会社員と思われる男性から、じっと見られていることに気づいた。
「かなり強い視線だったので、自分に怒っているんだろうなということは分かりました」
気にしないようにしていたのだが、男性は目を逸らさない。そこで久我さんも相手を見ると、突然こう言われた。
「俺の足を踏んだだろ!」
しかし、久我さんには相手の足を踏んだ記憶はなかった。
「一瞬のことだったので、もしかしたら足が触れた可能性はあります。でも、踏んだという感覚はありませんでした」
そのため、久我さんは男性の言葉に反応せず、そのままやり過ごそうとしたという。すると、男性はさらに強い口調で「謝れ!」と要求してきたのだ。
「満員電車ですから、どうしても身体や足が触れてしまうことはあります。私は記憶もなかったので『踏んでない』と言いました」
しかし、それで収まることはなかった。
「謝れよ!」
男性は再び声を荒げたそうだ。