市街地に出没するツキノワグマは駆除(捕殺)されることも多いが、神奈川県秦野市で起きた出没事案では、市は丹沢山地の奥地に「放獣」した。このことを巡り、「正しい措置だと思います」「素晴らしい」などと称賛する声がSNSで上がっている。市の担当者によると、2026年10月23日11時時点で約50件の意見が市に寄せられている。なぜ捕殺ではなく放獣なのか。再び出没した場合どうするのか。市の考え方を聞いた。神奈川県内では基本的に保護対象J-CASTニュースの取材に応じた市の農業振興課の担当者によれば、意見は放獣の発表後に増加。23日11時時点で約50件の意見が電話やメールで寄せられたという。放獣に賛成する声が多い一方で、危険なので駆除したほうがいいのではないかとの声も寄せられている。市が放獣した理由については、神奈川県内のツキノワグマの少なさが関係している。県内には約80頭しか生息していないとの試算が出ていると担当者は話す。そのため県内では、基本的には保護する対象として扱われているという。こうした判断は県が主体となり、市も協力する形でなされる。担当者は「クマの対応は市の内部だけで決められることではない」と説明。再び似たような事案が発生すれば、県の方針を確認するなどの対応を取り、放獣か捕殺か決めることになるとした。駆除を望む人の中には、クマがにおいや方向感覚を頼りに戻ってくるのではないかと心配する人も多いという。担当者は「全く駆除というのが選択の中にないわけではない」としたうえで、つぎのように説明した。「今回、タグをつけて放獣して個体識別をできるようにしましたが、そのクマの執着性が高く、再び同じ場所に出没し、そこから離れない個体となると、やはり人との接触の危険性が非常に高いという話になってくる」一度放獣して人間の怖さを学習させても、再び同じ場所に戻ってくるのであれば、捕殺の選択肢も出てくるという。市の公式サイトによれば、10月11日ごろから権現山付近でツキノワグマの目撃が相次いでいた。市は14日から権現山と浅間山を一時閉鎖していた。その後20日、現地で捕獲を確認し、丹沢山地奥地に放獣した。担当者によれば、体長は1.36メートルだった。
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