不振のドラマ「OLにっぽん」 アウトソーシングが必要?

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   日本テレビ系で水曜夜10時から放送されているドラマ「OLにっぽん」。派遣社員と正社員の対立をコミカルに描いて人気を呼んだ「ハケンの品格」と同じ中園ミホの脚本ということで期待されていたが、フタを開けてみれば、視聴率は毎回10%前後と低迷ぎみだ。そんなにつまらないのか。熱心にドラマを見ているOLに聞いた。

初回視聴率はまさかの「8.3%」

日本テレビの動画サイト「第2日本テレビ」ではドラマの予告編動画を流している
日本テレビの動画サイト「第2日本テレビ」ではドラマの予告編動画を流している

   「OLにっぽん」は、コスト削減のために総務の仕事を中国に海外アウトソーシングすることになった会社が舞台。観月ありさ演じる普通のOLが、日本人社員と中国人研修生の間で板ばさみになりながら、仕事のあるべき姿を考えていくというストーリーだ。

   阿部サダヲが中国の人材派遣会社のマネージャー役で出演。毎回ハイテンションで独特のキャラクターを演じ、観月をサポートしている。またローラ・チャンやタン・ジャースーといった中国人俳優がメインキャラで登場し、普通の連ドラとは違った味を出している。

   ドラマのテーマは、社内業務を外部委託に切り替える「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」、いわゆるBPOだ。仕事をめぐる現代的な課題に取り組んでいる点も「ハケンの品格」と共通するが、視聴率のほうは「ハケン」と違って冴えない。初回が8.3%とまさかのヒトケタ。それ以降も10.6%、9.9%と低空飛行が続いている。

中国人の設定が極端すぎる?

「阿部サダヲさんのファンなので毎回見ているけど、阿部さんがいなければ、たぶん見るのをやめていると思う」

と語るのは編集系の仕事をしているマユミさんだ。

「会社の総務機能を中国へアウトソーシングするという話だけど、ハケンと違って身近に感じていないので分かりにくい。出てくる中国人もボロアパートに2人で住んでるとか、毎回同じような服を着てくるとか、設定が極端すぎて違和感を感じてしまう」

   一方、経理の仕事にたずさわるレイコさんは

「観月ありさは『女版キムタク』という感じで、存在感はあるんだけれど、いつも同じような演技に見えてしまう。『ハケンの品格』主演の篠原涼子と比べると、演技力や格の違いが歴然。そのあたりが『ハケン』との評価の差につながっているんじゃないかな」

と厳しいコメントを口にした。また、食料問題などで中国のイメージが悪化する中で、「中国人が登場するドラマ」を作るのは難しいのかもしれない、ともいう。

「制作サイドとしては、北京オリンピックのあとで『中国ブーム』の風が吹いているはずと読んだのかもしれないけれど、完全に裏目に出てしまっていますね」

「時代の波」はつかんでいるはずだが……

   しかし、「OLにっぽん」のテーマはいかにも現代的で、いまの会社の姿を反映している。ドラマでは、業務のアウトソーシングで仕事を奪われそうになる日本人社員が、中国人研修生に仕事を回さないように嫌がらせをする。その姑息なやりとりは見ていて面白い、とマユミさんは言う。

「本質的な問題解決はできずに、かたくなに守りに入ってしまう社員はどこにでもいるなあと笑えます」

   また、自分たちとは全然違う「仕事観」をもった中国人の登場で図らずも日本人が仕事について考え直すことになるシーンには「ハッ」と気付かされることがあるそうだ。

   日テレの久保伸太郎社長は2008年10月27日、業務の海外アウトソーシング(BPO)というテーマは「時代の要求しているものに合っている」と定例会見でコメントした。グローバル競争で企業の経営環境が厳しさを増すなか、さまざまな分野にBPOの波が押し寄せているのは確かだ。

   経理の分野でBPOを経験したことがあるというレイコさんも

「日本の社員は自分たちの首切りにつながるBPOにはとても後ろ向き。私の会社でも、どの業務をアウトソーシングするかでもめて、なかなか話が進まなかった」

と語る。

   日本の会社が抱える問題点に果敢に切り込んでいるようなのだが、いまいちパッとしない「OLにっぽん」。いっそのこと、こういうシリアスなテーマが得意なNHKに番組制作をアウトソーシングしてみるといいのかもしれない。

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