2024年 5月 4日 (土)

「社長になれそうな人」と結婚したい!(下)

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   プロポーズの言葉は男性から言われたい。そう考えている女性がいまも多いようだが、受け身の姿勢だと「結婚したいときに結婚できない」という事態が起こりうる。そんな羽目に陥らないために、「いかに男性にプロポーズさせるか」が重要だ。社内結婚必勝法第3回に登場した江崎陽子さんがその実践法を教えてくれた。

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「前の彼氏」にふられた日に「次の彼氏」に電話

   「社長になれそうな人を結婚相手に選ぶ」。そう考えていた江崎陽子さんの前に、「要領がよくて仕事ができる」男性社員、鳥谷俊介さんがあらわれた。俊介さんは同期の中でも目立つ存在で、上司から仕事をどんどんまかされていた。入社して1年がたったころから、その存在感はだんだん大きくなっていく。

   そのころ陽子さんには短大時代からつき合っていた彼氏がいたのだが、それぞれ生きる世界が変わったこともあり、関係はギクシャクしていた。かつては理想の恋人と思えた"背が高くて、顔がよくて、やさしい"彼氏も、結婚相手としては不十分だった。

   「なにか嫌なことがあると私のほうから『もう別れよっ!』と言ってみたり、『やっぱりやさしくしてくれる人がいいのかな』とまた元に戻ってみたりを何度か繰り返していたんだけど、カレのほうが疲れちゃったみたいで……最終的には、私がふられました」

   短大から社会人にかけて3年以上つき合った彼氏に、ふられた。当然、すごくつらかった。しかし、つらいだけでは終わらない。転んでも何かをつかんで立ち上がる。そんなたくましさが陽子さんにはあった。

「私、ふられたの!」

   ふられた日の夜、陽子さんは俊介さんに電話した。そのとき俊介さんはすごく見たい映画をテレビで見ている最中だったそうだが、泣きながらしゃべる陽子さんの話を「まあ、そうだなあ」と穏やかに聞いてくれた。

社内恋愛を隠すのを助けてくれた「女子グループ」

「泣きながら話しているんだけど、どこか冷めていて計算しているところがあったと思います(笑)。『たぶん演技が入ってるんだろうな』と思える冷静さがありました。前の彼氏にふられて、『もうこっちにいくしかない』という感じだったんでしょうね(笑)」

   ふられ話をしながら、「私、かわいそうだから、遊んでよね」と軽く誘いをかけてみる。「いま思えば、一つの賭けだった」と振り返る陽子さんだが、ちょうど俊介さんも彼女がいなかったので、自然と二人で海に遊びに行ったりするようになった。はっきりした告白があったわけではないが、いつのまにか交際が"既成事実"になっていた。

   交際が始まっても、上司や同僚にはあいかわらず「短大からつきあっているカレがいる」と言い続けて、俊介さんとのことは隠していた。社内恋愛を公表してもメリットなどほとんどないのだから当然だ。

   しかし、社内の仲のよい女友達には逐一報告。すごく信頼のできる女子グループで、そこからは秘密が絶対にもれないという自信があったからだ。それだけではない。何か問題が起きそうになると、友達が助けてくれた。

「私たちも一回、街を歩いているときに会社の人に見られたことがあったんですよ。でも、グループのメンバーが『そのときは離れたところに私たちもいたんだよ』とアリバイ証言をしてくれて、バレずにすみました」

「結婚する気がないんだったら、別れてね」

   会社は結婚相手を探す場所。そう考える陽子さんにとって、俊介さんとの交際そのものよりも、結婚できるかどうかが重要だった。

   会社の飲み会で「いつまでに結婚したいか」という話題が出たとき、俊介さんは「まあ、30前かな……」と言っていた。二人は4つ年が離れていたので、俊介さんが30歳直前のころ、陽子さんは25、6歳になっている計算だ。「25歳ぐらいまでに結婚したい」と考えていた陽子さんにとってはベストのタイミングだ。

   だが、念には念を入れて。つき合い始めて1年ぐらいたってからは、

「私と結婚する気ないんだったら、その時点で別れてね」

   と、ときどきクギを刺すようにしていた。陽子さんにとっての恋愛は「結婚が前提」でなければならない。「無駄な恋愛はしない」タイプなのだ。そして、いよいよ陽子さんが25歳の誕生日が近づいてきたとき、彼女は俊介さんに言った。

「私、25の誕生日の前までにはっきりさせないと家を出されるから。どうする?」

   もちろん「今度の誕生日にプロポーズしてよね」という意味だ。俊介さんから「はっきりさせるよ」という言葉を引き出したうえで、誕生日の旅行先を手配した。旅行代理店の友達に「今度、プロポーズさせようと思うんだけど、どこがいいかな?」と聞きながら。

   しかし、完璧にお膳立てしたはずの"プロポーズ大作戦"だったが、最後に予期せぬことが起きた。「はっきりさせる」と約束していた俊介さんが、プロポーズもしないで寝ようとしてしまったのだ。でも、陽子さんはもちろん寝させなかった。

「『ねぇ、ねぇ、なんか言うことあるんじゃないの?』って聞いたら、寝ぼけながら『結婚してください』と口にしました。私はとりあえず『ちょっと考えさせて……』と言ってみましたけど(笑)」

   それから1年後、陽子さんは当初の目標どおり、女の直感で見込んだ「社長になれそうな人」と結婚式をあげた。

社内結婚必勝法 其の4

    言わぬなら、言わせてみよう!プロポーズ

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   ※記事中の人物名は仮名です。社内結婚法第3回「「社長になれそうな人」と結婚したい!(上)」もご覧ください。



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社内結婚を果たした人たちに実際にインタビューして、どのようにして出会い、交際を育み、結婚にいたったのかを聞く。「婚活時代」といわれる現代の、新しい恋愛法則が見つかるも!?

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