過剰な自己愛「俺リスペクト型」シュガー社員

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   経済的に豊かな家庭で過保護に育てられたシュガー社員。今回はそんなタイプがなりやすい「俺リスペクト型」シュガー社員を紹介します。自信に満ちて一見仕事ができそうだけど、よく見ると何だか仕事の完成度が低い「自称すごいヤツ」――。こんな勘違い社員を放っておくと、職場に悪影響を撒き散らされてしまいます。

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「電話番なんて、バイトか派遣にさせればいい!」

   このタイプは、自分がスポットライトの中心にいないと気が済みません。だからといって努力をするとか、後輩の面倒見がいいとか親分肌というわけではありません。仕事に慣れてくると単純な仕事をバカにして「自分にこんな仕事させるんですか!」などと勘違い発言を繰り返します。

   例えば、上司の留守に電話が掛かってきたとき、こんなマナー知らずの対応をする社員が職場にいませんか?

上司 「おい、この電話の伝言メモ、○○社としか書いていないけど、誰から?」
シュガー社員 「お名前は言ってませんでした」
上司 「どうして聞かないの?」
シュガー社員 「だって、また掛けますって言うから…」
上司 「それじゃ電話取ったことにならないだろう。電話を取る以上、担当者にスムーズにつなげるのが君の仕事だろう? こちらから連絡すべき場合もあるじゃないか」
シュガー社員 「…電話番なんて、バイトか派遣にさせればいいじゃないですか。私にそんな仕事させないで下さい!」

   仕事のミスが多いのは自分のせいとは思わず、「相手の頼み方が悪かった」「上司がちゃんと指示していれば問題は起こらなかった」と本気で思っています。挙句の果てに「自分のこと、もっとうまく使って下さいよ。それが上司の仕事じゃないですか!」と逆ギレしたりします。

"上司の上司"に直訴して、自分の正当性を主張する

   このタイプは攻撃性が強く、トラブルが持ち上がると、直属の上司を飛び越えて、更に上の上司に進言するなど、組織の常識をわきまえずに自分の正当性だけを主張します。こんな部下と一緒に仕事をするのは、誰だってカンベンです。

   一方このタイプは、根拠なき自信を内側に秘めています。「自分はどこにいっても通用する」と考え、世話になった会社を足蹴にあっさり転職します。ひとつの会社に勤める期間は約3年。一緒に働く方にはお気の毒ですが、この間は辛抱です。

   上司や同僚の対処法ですが、このタイプは依存心が格段に高く、自己を客観的に見る能力を養っていないため、自分の問題を自分で修正することは困難です。ですが、他人の言うことを素直に聞くタイプでもありません。

   それでも、どこかのタイミングで謙虚さを知る事ができれば、変わる可能性も若干残されているのですが、よほど尊敬できる上司が全精力を傾けて指導しない限り、変化を遂げるのは難しいでしょう。白雪姫のように王子様がキスをしてくれないと、永遠に魔法がかかったままなのです。

役職を与える前に、細心の注意が必要

   このタイプの社員が入社4年目以降も退職せずに会社に残っていたら、どうすればよいでしょうか。言うほどの成果も上がらず、全てのトラブルを誰かのせいにしているようであれば、振る舞いが自信たっぷりで仕事ができそうに見えても、その見極めには細心の注意が必要です。

   以下のチェックリストで確認し、もし5つ以上当てはまるようなら、役職を与えるのは待ってください。なぜならこのタイプは、上司がてこずるだけでなく、彼の部下となった優秀な社員に悪影響を与えたり、潰したりしかねないからです。

1. 「やりたいことは他にある」「自分はこんなところにいる人間じゃない」と公言している
2. 自慢話になると止まらない
3. 他人の話に興味を示さない
4. 自分のミスでも責任を認めない
5. 誰かが困っていてもギリギリまで知らない顔をする
6. 他人のメンツを平気でつぶす言動をする
7. 注意すると「言い方に納得がいかない」など、本質以外の部分に食ってかかる
8. 自分より優れている人を認めようとしない
9. 「○○世代」などというカテゴリーで括られることを嫌う
10. 新人なのに仕事を選ぶ

   経営者や管理職は、彼に会社のクレド(信条)を伝えて、とことん話し合いをした方がいいでしょう。「君のこういう言動は、会社として問題だと考えている。きちんと改めてくれ」。毅然とした態度で指摘して目を覚ましてもらった方が、シュガー社員にとってもよいことであるはずです。ただ、そんなことで簡単に聞く相手でもないのですが……。

田北百樹子

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田北百樹子(たきた・ゆきこ)
札幌市出身。田北社会保険労務士事務所所長。保険関係の手続や就業規則作成にとどまらず、人事考課制度導入や社員教育など、企業の人事労務を幅広くサポートしている。「シュガー社員」の名付け親で、09年3月にはシリーズ第3弾となる『ブラック企業とシュガー社員』(ブックマン社)を刊行。
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