過保護な親が口を出す!「ヘリ親依存型」シュガー社員

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    社会人ともなれば、親の手を離れて自立しなければならないはず。それなのに、いつまでも親が子どもに手をかけ、子どももそれに甘えている。そんな親子が増えています。社員が会社ときちんと対話ができず、代わりに過保護な親が介入して職場にクレームをつけるケースが実際にあるのです。

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「モンスター・ペアレント」の子供たちが職場にデビュー

「○○の母ですが、今日は熱があるので、○○は会社お休みします」
「××の父ですが、ウチの娘に夜遅くまで残業させるのをやめてくれませんか」
「なぜウチの子を転勤させるの? 他の社員じゃダメなんですか」
「もうウチの子がおたくの会社には行きたくないと言っています。明日から出社しませんので、そのおつもりで」

    学校に対して理不尽な要求をする「モンスター・ペアレント」が一時有名になり、TVドラマにもなりました。いまでも「ウチの子が騒いだのは、担任の指導力が足りないからだ」というクレーム怖さに、授業中に子どもを注意できないという異常な学校もあるようです。

    そんな「怪物」の子どもたちが、社会に出始めています。親子の“活躍”の舞台は「学校」から「職場」へと変わっただけで、自己中心、権利主張、義務放棄などの特徴は同じです。

    私は、子どもが社会人になってからも極端に世話を焼き、時に理不尽な要求をする親を「ヘリ親」、その親に依存して自立できない社員を「ヘリ親依存型」シュガー社員と呼んでいます。

    ヘリ親とは「ヘリコプター・ペアレント」の略。過保護な親はアメリカでも社会問題化しており、その様子をヘリに例えて生まれた言葉です。ホバリング(空中停止)しながら、わが子の上空で待機。何かトラブルが発生すれば、急降下して救出します。

親のクレームを子に話して「反応」を見てみよう

    もちろん、親の側にだって言い分はあります。

「トラブルが起きれば子どもを守るのは、親として当然だろう!」

    確かに、子どもが解決できないことを親が手助けすることはあるでしょう。しかし、親が会社に「今日はお休みします」「残業させるな」「転勤させるな」「もう辞めます」と言ってくるのは、過保護すぎやしないかということです。

    人事異動にも口をはさみ「どうして○○さんと同じ部署にしてくれないの?」とクレームをつけてくるケースもありました。クラス替えと同じ感覚なのでしょうか。会社の人事担当者は「今までになかったこと」と対応に苦慮しています。

    こんな親が会社にクレームをつけてきた場合、どう対応すればよいのでしょうか。まず、当の本人に、親がクレームをつけてきた内容を、そのまま告げてみましょう。

「えっ、親がそんなことを……、それはすみませんでした」

と恥ずかしそうにしていれば、本人は教育次第でまっとうな社会人になる可能性が残されています。しかし、

「ええ、そうなんですよ。私もそう思っているのです」
「親の言うことが、どうしてわからないのでしょうか?」

と、堂々として事の大きさに気づかないのであれば、過保護な親に“砂糖漬け”にされている恐れが大きいです。

「ヘリ親」の出現は「若手シュガー社員増加」の大きな要因

    砂糖漬けになっている場合には、親子がお互いに強く依存しあっているため、周りの力ではどうすることもできません。業務命令にも従わず、親がその都度クレームをつけてくるようであれば、解雇を念頭においた準備をしていくしかないと思います。

    この「ヘリ親」の出現は、若い世代のシュガー社員を増加させる大きな要因になっています。

    この連載のコメント欄には、シュガー社員の出現は「最近の問題ではない」という意見が多く寄せられています。確かに問題社員は昔からいましたが、やはり新しい要因によって、新しいタイプが増えているという傾向もあるのです。また、これによって、会社が新しい対応を求められる問題も存在します。この事実にはきちんと直面すべきと思います。

    次回は、このような「シュガー社員」発生の背景とメカニズムについて説明します。

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田北百樹子(たきた・ゆきこ)
札幌市出身。田北社会保険労務士事務所所長。保険関係の手続や就業規則作成にとどまらず、人事考課制度導入や社員教育など、企業の人事労務を幅広くサポートしている。「シュガー社員」の名付け親で、09年3月にはシリーズ第3弾となる『ブラック企業とシュガー社員』(ブックマン社)を刊行。
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