言ってはいけない「そんなに嫌なら辞めてくれ!」

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   幼稚で攻撃的なシュガー社員に対し、ついカッとして口にしてしまいがちな言葉が「そんなに嫌なら辞めてくれ!」です。相手の挑発に乗って、うかつなことを言ってはいけません。この言葉は、あらかじめ「言ってはいけない」NGワードと意識しておきましょう。

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シュガー社員の挑発に乗ってはいけない

   シュガー社員は、自分の権利意識ばかりが高く、依存心が強いのが特徴です。経営者や上司、先輩社員に対して、唐突に、

「ウチの会社って、なんでこうなんですか!」
「どうしてこういう風にできないんですか!」

と、一方的な要求を突きつけてくることがあります。こういうクレームに対し、これまでそんな社員がいなかったからといって、

「おいおい、そう簡単にはいかんだろう」
「そんなにこの会社が嫌なら、辞めてくれたっていいんだよ」

と売り言葉に買い言葉を発しては、相手の思うツボです。言ってしまったが最後、

「あー、それって不当解雇ですよねー」
「じゃ退職しますので、解雇予告手当払ってください」

という回答が返ってきます。

   会社側が「自分が嫌だから辞めたんだろう? 自己都合じゃないのか」と言っても、シュガー社員からは「辞めろといわれたので辞めました。言われなければ辞めませんでした」と言われてしまうのです。

   さらにやっかいなのは、その場では「退職します」とは言わずに、翌日から会社に来なくなり、内容証明郵便で解雇予告手当を請求するシュガー社員がいることです。言い争いの末に喧嘩別れで話を終え、曖昧にしておくことは危険です。

「仕事が甘い」という指摘は逆効果

   また、プライドが高い割には仕事の完成度が低いシュガー社員に対して、

「仕事の詰めが甘いんじゃない?」
「そういう考えは、ちょっと甘いだろう!」

と、ついイラッとして言ってしまいがちです。しかし、この言葉を発すれば、今度はあなたのやり方の不手際をほじくり返し、思いつく限りの嫌がらせをしてくるでしょう。その時に「やられたらやり返す」シュガー社員の執念深さ、恐ろしさを知ることになるのです。

   伸びる社員というものは、甘いところを指摘するだけで、自分を修正し、引き締めてきます。もちろん指摘されて悔しいと感じるのでしょうが、それを「なにくそ」と自分の成長に結び付けていけるものです。

   しかし、砂糖漬けにされた真性シュガー社員には、この方法は逆効果です。「あんなこと言われてヤル気なくなりました」と、みるみるモチベーションを下げて、仕事の手抜きを始めます。さらに、

「じゃあ、あなたはそんなに素晴らしい上司なんですか?」
「私以外には何の問題もないんですか?」

と反撃が開始されるのです。

   自分を客観的に見る事ができないシュガー社員は、自分には大甘ですが、他人には非常に厳しい目をむけます。過剰に反応しますので、くれぐれも言葉は選んで下さい。

問いかけを通じて「問題解決の手法」を勉強してもらう

   さて、そんなシュガー社員に対して、どういう対処方法をとればいいのでしょうか。大企業ならいざしらず、会社というものは社員が力を合わせて仕事をし、売上や利益を獲得していくものです。

   「大資本vs.労働者」とか「スーパー上司が若者を優しく導く」とかいう絵に描いた構図を、現実の職場に持ち込まれても、実際に働いている人たちは戸惑います。忙しい職場では、若手社員が中心に回っているのではなく、むしろ逆です。

   依存心が強くクレームばかり言うシュガー社員には、問いかけを通じて「問題解決の手法」を勉強してもらう必要があります。まず、彼らが仕事を通じて本当の意味で「問題点」と感じたのなら、それは「成長への第一歩」と受け止めましょう。そして、

「あなたが目指したい状態は何なのか、それは現実的なのか」
「現状では、何が足りないのか。その要因は何か」
「具体的に何をどうすれば改善できるか」
「他人を動かすには、どういうコミュニケーションをとればよいか」

   などを、問いによって引き出せれば理想です。このように考えを進めていけば、単に文句ばかり言っていても状況は変わらないことが理解できるはずです。

   そもそも「めざす状態」の当面の落としどころが、予算などによって大きく変わることなどを理解できるようになれば、それは「一人前の社員」になる第一歩を踏み出したことになります。問題解決の思考に慣れていけば、依存心の強い文句も少なくなるものです。こういう思考についてこられる若者は真性シュガーではないので、安心してよいでしょう。

田北百樹子

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田北百樹子(たきた・ゆきこ)
札幌市出身。田北社会保険労務士事務所所長。保険関係の手続や就業規則作成にとどまらず、人事考課制度導入や社員教育など、企業の人事労務を幅広くサポートしている。「シュガー社員」の名付け親で、09年3月にはシリーズ第3弾となる『ブラック企業とシュガー社員』(ブックマン社)を刊行。
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