2018年 12月 12日 (水)

就職戦線「第二氷河期」は到来するか?

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   最近、あちこちで来春(2009年)の就職戦線について質問される。まあこれだけ内定取り消しだ派遣切りだと騒がれているんだから、学生も親も先生も不安になるのだろう。ということで簡単にまとめてみたい。

   以前も書いたが、内定取り消しが問題化するほど起こっているということは、それなりに就職戦線が厳しくなるのは間違いない。実際、大手の中には前年比1/3に削減する企業もあるほど。ただし、極端な買い手市場になることはないだろう。就職氷河期の当時と今は違いが2つある。

   まず、高給取りの団塊世代が定年退職を始めており、固定費としての人件費にかなり余裕があること。そして、ピーク時の90年代後半に比べると、既に少子化の影響で学生数自体が3割程度減っていることだ。今年度(09年卒業者)の新卒求人倍率は2.14倍だったが、来年は1ポイント台半ばの良くも悪くもない状況といった感じだろう。

   ただし、内定者の絞り込みはかなり厳しくなるはずだ。近年、企業は採用ハードルを大きく引き上げ、幹部候補に絞った新卒採用をおこなっている。それ以外の人員は非正規雇用やアウトソーシングで代用し、固定費としないためだ。

買い手市場と売り手市場の二極化が進む

   さらには90年代と違い、今の人事担当者には新卒以外にもオプションが多い。無理せず第二新卒や中途採用でリベンジすればいいのだから、新卒のハードルがなかなか下がってこないのだ。

   だから正確に言えば、買い手市場と売り手市場の二極化と言うべきだろう。複数の大企業から内定をもらえる人間がいる一方で、早慶レベルの人間であっても、秋になっても内定無しというケースも珍しくはないはず。

   まあそうはいっても就職氷河期とは違い求人自体はあるわけだから、贅沢言わなきゃなんとでもなるでしょう。そういう意味では、団塊世代が上にどっかり居座り、なおかつ頭数も多かった団塊ジュニアというのは、本当に貧乏くじ世代だなと思う。

   企業や社会に文句を言うのも良いが、根本的な解決は「年齢で処遇を決める日本型雇用」だ。ここにメスを入れない限り、彼らは救われないし、いつかまた同じ道をたどることになるだろう。

城 繁幸

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人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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