億単位も可能?外資系のボーナスの実態

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   1月も下旬になってきました。外資系金融機関ではそろそろボーナスの季節です。ご存知でない方もいらっしゃるかもしれませんが、多くの外資系では例年1-2月にボーナスが払われます。これはボーナスが前年の人事評価に基づいて支給されるためです。

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人間の欲望がそのまま表に出る「ボーナス発表日」

   ボーナス金額が発表される日は、従業員にとっていわば一年で最も重要な日であり、一番嬉しいはずの日でもあります。しかし、人間の欲望には限りがなく、いくらもらってもなかなか満足しないものです。そのため意外にも暗い表情の人が多いんです。

   期待よりもずっと金額が少なかった人から「バカヤロー」といった悲痛な声(!?)が飛んでくることもありますし、私が実際耳にした例では「俺は米系のM証券にいたときに1億 円のボーナスをもらっていたんだぞ!」というような下品なせりふをわざと皆に聴こえるような声で叫ぶ男などもいました(もちろんこれはかなり特殊な例ですが)。

   人間の欲望がそのまま表にでる世界。家族主義的な日本の大企業ではちょっとない光景かもしれませんね。

   ボーナス金額の提示は口頭のみ、あるいはせいぜい鉛筆書きのメモで行われます。つまり正式な発表という形を取らないわけです。そして「ボーナスが支給される前に退職した場合は一切払わない」という風に決まっています。そうすることで、ボーナスが決まった途端にすぐにおさらば(転職)しようとする輩にブレーキをかけているのです。

   逆に言うと、転職したい人は、自分の銀行口座にちゃんと金額が振り込まれていること確認したところで、退職届けを出すことになります。実際、ボーナス支給日に辞める人は非常に多く、その日は「お世話になりました」メールが社内中に飛び交います。

従来の「ボーナス至上主義」は消えつつある

   高収入で知られる外資系金融機関ですが、それはひとえにフロント(直接収益に貢献する部署)のボーナスの大きさによります。特にトレーダーなどはうまくいけば個人の力で何億円、何十億円と会社を儲けさせることが可能ですから、それに応じて成功報酬(ボーナス)も何千万さらに億の単位になるのです。M&Aの場合なども手数料が売買価格のパーセンテージで決まるので、大きな案件を成就するとすごいボーナスが支払われます。フロントの人間ががむしゃらに働くのは一にも二にもこのボーナスをたくさんもらうことにあるというわけです。

   一方で、管理部門で働く人にはそれよりずっと小さい金額しか出ません。管理部門の人間にとってボーナス支給日というのは自分がフロントと身分差別されていることを年に一度確認する日でもあるのです。

   しかし、サブプライム以降は状況が大きく変わりつつあります。バブルがはじけたため大きく儲けることが難しくなりましたし、そもそも会社全体の業績が悪いためボーナスのための資金が大きく減りました。クビ切りも増えている、という三重苦の状況です。

   そのため今までのようなボーナス至上主義は消えつつあり、代わりに基本給と雇用の安定に注目が移ってきました。フロントの人間の中には少し前までほとんど気にも留めていなかったのもたくさんいたわけですから、これは大きな変化です。

   我が世の春を謳歌してきた外資系金融マンの時代は終わりつつあります。「普通のサラリーマンに戻りたい!」。これが彼らの新しい合言葉なのです。

益村誠一郎

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益村誠一郎
大学卒業後、大手都市銀行に勤務した後、外資系金融機関に転職。数社で勤務をしたあと、現在はある投資ファンドに所属。外資系企業での豊富な経験と幅広い人脈に裏打ちされた「外資系の実態分析」には説得力がある。
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