2024年 5月 5日 (日)

外資系金融機関の「採用」はこうして行われる

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   日本企業では採用については人事部が取り仕切るのが一般ですが、外資系金融機関では部署ごとに採用を行います。つまり「ストラクチャード・ファイナンス部」とか「審査部」とかの単位で採用します。

   採用には人事部ももちろん関係しますが、それはどちらかというと形式的なものであって、採用についての権限は人事部にはほとんどありません。外資系金融機関において人事部とはあくまで人事に関する事務処理を行う部署に過ぎないのです。日本の金融機関で人事部がエリートコースとされ、社内で大きな政治力を有しているのとは対照的です。

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直属の上司となる人にアピールできるかどうかがポイント

   では、実際の面接についてみてみましょう(今回は、外資系で一般的な中途採用について書いてみました)。面接のやり方には会社によっていろんなバリエーションがありますが、最終決定するまでにはかなりの数の人との面談をさせられるのが普通です。逆に言うと、多くの人と会わされたときは採用される可能性が高い、とも言えます。

   採用に当たって最終的な決定権限を持っているのが直属の上司となる人です。こちらとしては彼・彼女との面談において能力を最大限アピールすることが最重要となります。そしてそれがうまくいけば、面接は80%成功したも同然です。それから、一緒に働くことになる将来の仲間、つまり同じ部の人たちとの面談があります。一緒に働いて気持ちの良い奴だと感じさせるよう頑張りましょう。

   次に重要なのが、今後の仕事において重要な関係をもつ部署の責任者との面談です。たとえばあなたがアナリストやエコノミスト志望であるとすると、セルサイド(顧客向け)の場合は営業担当と、バイサイド(社内向け)の場合はファンドマネジャーとの面接があるでしょう。このような関係部署の人との面談の結果も採用に意外に影響する場合があるので気が抜けません。

   それから上司のそのまた上司になる本部長クラスの人との面談があります。あるいはそれなりのポストであれば、日本のトップつまり社長・支店長・在日代表との面談も入るでしょう。これらの「偉い人」との面談は儀礼的な場合が一般的で、彼らが採用に当たって担当者の判断に口をはさむことはまずありません。ただし、たまにトップが「あいつだけはだめだ」というような指令を出すこともあるとようなので要注意かもしれません・・・。それ以外には人事部長などとの面談もありますが、これは先ほども述べたようにあくまで一種のセレモニーです。

就職面談は「採用される側」が会社を見定める場でもある

   ・・・と、以上、会社側からの視点で書いてきました。しかし、就職面談は会社が皆さんを選ぶだけでなく、皆さんが会社を選ぶ機会でもあることは言うまでもありません。面談によりどんな職場環境かをじっくり見定めることが肝要です。で、採用される側からすると、何と言っても重要なのが直属の上司になる人の品定めです。

   これは仕事をしていく上で上司の人柄や能力が大事だ、というにとどまりません。外資系において直属の上司とはあなたの勤務評定をし、ボーナスを査定し、さらにあなたをサポートしたり踏み台にしたりする存在です。そして上司はあなたをクビにすることも可能なのです。

   外資系金融機関では社内の異動というのはまれですから、ひどい上司に当たってしまうと社内で逃げ場がありません。外資系では上司がロクでもないために辞めざるを得なくなった、という例が後を絶ちません。上司には人間的にまともな人になってもらいたいところです。

   外資系金融機関はスペシャリストの集団であり、それぞれのスタッフが自分のまわり数メートルほどの狭い場所(ムラ)で生きています。ムラ社会のメンバーとして生きていくには何が重要か。それを考えることが就職活動成功への第一歩であると思います。

益村誠一郎

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益村誠一郎
大学卒業後、大手都市銀行に勤務した後、外資系金融機関に転職。数社で勤務をしたあと、現在はある投資ファンドに所属。外資系企業での豊富な経験と幅広い人脈に裏打ちされた「外資系の実態分析」には説得力がある。
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