2024年 4月 26日 (金)

不況のいまこそ「個人事業」を始める大チャンス

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   2008年10月から10回にわたって連載してきたコラム「サラリーマンに向かないヤツ」も今回が最終回となる。最後はこれまでと趣向を変えて、J-CAST会社ウォッチ編集部のインタビューに答えるかたちで、私、塚田祐子からのメッセージをお伝えしたい。

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昔よりもはるかに「独立」しやすくなっている

編集部   まず、10回の連載を振り返ってみての感想を聞かせてください。

塚田   これまでAll Aboutや著書の『<独立成功>完全マニュアル』などで「フリーランスとして生きていく方法」や「1人ビジネス」についてお話させていただいていますが、そこでの読者は、すでに独立している人や、独立を決めた方です。今回の会社ウォッチの連載は、読者対象が会社で働いているサラリーマンやOLの皆さんだとうかがって、何を、どのようにお伝えしたらいいか、考えてしまうことが多かったですね。それでも、回を追うにしたがって反響が出てきたり、独立された方から暖かいメールをいただいたりして、書かせていただいてよかったと思っています。

編集部   このコラムでは、「自分はサラリーマンに向かないんじゃないか」と悩んでいる人に向けて、本当にそうなのかどうか考えるヒントを与えるとともに、独立するために何を準備したらいいのかを伝えてきましたが、独立をめぐる環境は昔と今で違うのでしょうか?

塚田   私が独立したのは20年以上も前のことになります。昔は、一度入った会社で定年まで勤め上げるのが当たり前で、転職したり、独立する人は褒められた存在ではなかったです。そのころに比べたら、今ははるかに独立しやすいと思います。特にIT化が進んだ1990年代の後半から、環境が大きく変わってきました。当時、「IT革命による恩恵は、個人が生産手段を取り戻したことだ」といわれて、その言葉に感動したのを覚えています。今は、個人でもパソコンやインターネットを活用すれば、ローコストで色々なことができます。独立して仕事ができる環境が、比較にならないぐらい整っていると思います。

「自分のビジネス」を試すチャンスがやってきた

編集部   独立したい人にとっては以前よりも環境が良くなっているということですが、最近は不況の影響で、普通のサラリーマンにもワークシェアリングや副業許可など、かつてとは違う波が押し寄せています。

塚田   今までのように会社の仕事を普通にやっているだけでは、期待する収入が得られなくなるということですね。これは一見悪いことのように見えますが、独立している私からすると、非常に大きなチャンスじゃないかと思います。これまでは、副業をしたくても会社にバレたら…、とためらっていた方は堂々とできるようになります。しかも、副業できる時間が増えるわけです。「起業マインド」がある方にとっては、会社にいて収入を確保しながら、考えた事業プランのテストマーケティングをしたり、ビジネスチャンスを探ったりできます。自信がついたところで、人生の選択をすればいいわけで、これは理想的ではないですか。

編集部   しかし、「副業をやっていいですよ」と言われても、何をやったらいいか分からない人も多いと思うのですが……

塚田   あくまで副業なのですから、難しく考える必要はないと思います。まず自分がやりたいことをあげてみて、それが自分にできるかどうかをチェックして、さらにニーズがあるかをリサーチする。こうやって自分にできそうなビジネスを考えることは、非常にクリエイティブなことで、とても面白いことだと思うんですよね。小さい頃の夢を思い出して、人生を二度楽しむぐらいのつもりでトライされたらと思います。これからは、会社員であっても、複数の収入を持つことがステイタスになるかも知れませんよ。

編集部   そう考えると、なんだか楽しそうですね。

塚田   景気は個人の力ではどうしようもない部分もありますが、先日のWBCの盛り上がりのように、前向きに捉えていけば結果は必ずついてくると思います。後ろ向きに考えてふてくされていても、メンタル的にも収入的にもよくないことばかりになります。たとえば、ネットオークションで何か売ってみる、アフィリエイトでWebショップを構築してみるとか。これらは、ほぼ資金ゼロでモノを売るスキルを磨くことができます。専門知識があったり書くことが好きであれば、有料メルマガを発行して、定期収入を得ることも可能です。ネットをうまく活用すれば、個人でもかなりのことができます。しかも、初期コストをかけないで副業を始められます。

今後は「個人サービス」へのニーズが高まる

編集部   収入が得られるほかに、副業のメリットはありますか?

塚田   どんなに小規模であってもビジネスを組み立てていくわけですから、経営感覚が身についていくというメリットがあります。自分で事業をするとなると、顧客ターゲットに何をどうやって提供したらいいか、どうしたら売上を上げられるか、全部自分で考えなければなりません。これは経営者の思考プロセスを踏んでいくことになります。会社員として仕事をしていくうえにも必ず役立ちます。

編集部   そうして副業というステップを踏んだうえで、もし独立してもやっていけそうな手ごたえを感じたら、そのときに独立してもいいんですよね?

塚田   そのとおりです。8割の収入を確保しながら、2割の時間と余力を使って独立のためのトライアルができるのですから、私から見たら本当にうらやましいですよ。これからのビジネスは、大企業がグローバル化路線をとる一方で、かゆいところに手が届くサービスを提供できる小企業や個人企業のニーズが高まってくるのではないかと期待しています。個人にも十分ビジネスチャンスがあると思っています。

編集部   そう考えると、いまは起業を考えている人にはいい時期なのかもしれませんね。

塚田   そうだと思います。不景気だと腐るのではなく、今はむしろ個人で事業を始めるチャンスなんだと考えて、自分にできそうなビジネスを探してみたらいかがでしょうか。そうやって個人がいろんなビジネスを始めることが、日本経済の活性化にもつながるんじゃないかと思います。

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塚田祐子(つかだ・ゆうこ)
Creative Work Station代表。サラリーマンに向かず、26歳で「OLやめます!宣言」をする。その後、教育業界を経て、31歳で独立。20年を超える自営経験を通して学び取ったノウハウを体系化し、現在、All About[フリーランス]のガイドとして、フリーや個人で独立・起業を目指す人たちへ、熱い応援エールをおくっている。著書に「会社を辞めてフリーで・個人でまずは1年目をクリアする〈独立成功〉完全マニュアル」「フリーランスのための超簡単!初めての青色申告」がある。
「会社を辞めてフリーで・個人でまずは1年目をクリアする <独立成功>完全マニュアル」
「会社を辞めてフリーで・個人でまずは1年目をクリアする <独立成功>完全マニュアル」塚田 祐子

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