2024年 4月 19日 (金)

新入社員の教育はだれがやるのか?

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「1日5質問・5秒ルール」でコミュニケーションを活発に

   新人と先輩社員がそういう関係になってしまうと、話は簡単で、適当にあしらって済ますのがベストな選択だと気づく。「何かあったら遠慮なく声をかけてね」と優しく声を掛けて、ほったらかしを決め込んでしまえばいいのだ。その結果、ぜんぜん成長しない新人の増殖となる。

   見かねたマネージャーが「ちゃんと面倒見てくれよ」と指摘しても、「遠慮なく声をかけるように言ってますから」と反論されて終わり。新人が何かを尋ねようとしても、背中には「忙しい俺に聞くな」オーラが漂っており、顔には「そんなこと自分で考えろ」と書いてある。――こんなことが、毎年繰り返されているのだ。

   この問題に対して、もっとも効果的な対策は「1日5質問ルール」と言われている。これは「新人はブラザー・シスターに1日5つ質問しなければならない」「ブラザー・シスターは質問に答えなければならない」というルールだ。ルールなので、遠慮がちな新人も質問しやすくなるし、先輩社員も対応せざるを得ない。

   ただし、質問を義務付けると、同じ質問を繰り返したり、取るに足らない冗長な質問をしたりする新人も出てくる。そのときには「5秒ルール!」と付け加えるとよい。質問は5秒以内にしてもらうのだ。

   厳密に5秒で終わるかどうかは別にして、「5秒以内にまとめて尋ねる」というルールを設けるだけで、新人は考えてから質問するようになる。これで的外れな質問は激減する。若者の教育は大変だが、自分も先輩や上司にお世話になって一人前にしてもらったわけだから、せめて自分が育てられた借りは新人たちに返しておきたい。

大塚 寿

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大塚寿(おおつか・ひさし)
1962年群馬県生まれ。中央大学経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。ヤマメの養殖で留学資金をつくり、1991年5月より渡米、アメリカ国際経営大学院(サンダーバード校)にてMBA(国際経営学修士号)を取得。現在、マーケティング・コンサルティングやオーダーメイド企業研修を行うエマメイコーポレーション代表取締役。『職場活性化の「すごい!」手法』(PHPビジネス新書)など、著書多数。
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