「M1層は梅干しと同じ。表面だけで判断するな」R25前編集長の警句

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   首都圏のサラリーマンに大人気の「R25」は、「M1層」と呼ばれる20歳~34歳の男性をターゲットにしたフリーマガジン。その創刊にかかわり、2005年から08年まで編集長をつとめた藤井大輔氏がヒット商品の舞台裏を描いたのが、「『R25』のつくりかた」(日経プレミアシリーズ)だ。成功のためにはターゲットの的確な分析が不可欠だが、藤井氏は同書のなかでM1層を「梅干し」にたとえ、表面だけで判断してはいけないと警告している。

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表面は薄くて破れやすいが、中の芯は意外に堅い

「R25」でおなじみのイラストが新書の表紙にも使われている
「R25」でおなじみのイラストが新書の表紙にも使われている
   僕はよく、M1層を、梅干しに例えます。梅干しには薄い皮があります。でも、その皮をプチリと破ると、中身がブヨっと出てくるのです。そして、奥のほうに、堅い芯がある。僕は、M1層はまさにこれだと思いました。

   傷つきたくないから、皮はかぶっている。まず、それで防御しようとする。でも、それはものすごく薄い皮なのです。だから、何かのきっかけさえあれば、すぐに中身が出てきてしまう。例えば僕が彼らの本音に出会えたように、彼らにしっかり共感することができれば、中身に出会うことができます。

   でも、そうじゃないときは防御している。しかも、その薄皮は、いろいろな表情を見せるのです。すごい空元気だったり、やる気がなさそうな姿勢だったり、覇気がなさそうな空気だったり……。ある種、カムフラージュして、「僕はマジメです」と見せるときもあれば、「いや、やる気ないです」というときもあるし、「いや、マジ楽しいよね」というときもあって、使い分けているのです。その場の空気に合わせて、自分が傷つかないように態度を変えていく。

   でも、一度中をプチっと開けると、そこにはまじめなごく普通の若い男の子がいるのです。そして、中の芯は意外に堅いのです。でも、これがどんなものなのかは、自分でもはっきりとは気づいていない人も多いと思います。いやなるべく気づかないようにしているのかもしれません。そこには、将来に対する不安だったり、「日本、マジやばくない?」という思いだったり、「ところでオレってこのままで大丈夫なんだっけ?」といったものが潜んでいるのです。

   だから、くれぐれも注意する必要があるのは、薄皮の部分だけで判断してはいけないということです。

藤井大輔『「R25」のつくりかた』〔日経プレミアシリーズ 60~61頁〕より)

(会社ウォッチ編集者Kのひとこと)
先日、会社帰りの電車のなかで、ランドセルを背負った小学生の女の子が「R25」を食い入るように読んでいる光景に出くわした。ちょうど降りる駅が一緒だったので、なんとなく後ろをついていったら、彼女はホームからくだるエスカレーターでもR25から目を離さず、その先の階段ですらR25を読みながら歩いていた。そして改札を出ると、大切そうにR25を紺色の手提げカバンの中にしまったのだった。本来のターゲットから大きく外れているはずの読者にも愛されている無料の雑誌。うらやましかったねぇ。

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「R25」のつくりかた (日経プレミアシリーズ)
「R25」のつくりかた (日経プレミアシリーズ)藤井 大輔

日本経済新聞出版社 2009-02

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