2019年 10月 23日 (水)

まともに働かない「産業医」 社員の健康が守れるか?

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   社員の健康は、生産性に関係することでもあり、会社としてきちんと管理しておきたい事柄だ。法律でも、一定規模の事業場には「産業医」の選任を義務づけ、労働者の健康管理等を行わせなければならないとしている。

   しかし、産業医の中には、多忙などを理由に、会社の注文になかなか応えてくれない先生もいるという。ある会社の人事担当者は「そもそも、何を、どこまでお願いできるものなのか」と首を傾げている。

「年1回の健康診断以上のことはできない」と言われた

――流通業の人事担当です。従業員の健康管理については、最近、メタボ健診やメンタルヘルス不全休職者への対応など、以前にはなかった業務が増えてきています。そこで「産業医」の契約を結んでいる近所のクリニックの医師に相談をしているのですが、頼もしい回答が返ってきません。
   「先生、メタボ予備軍の特定保健指導のことなんですが…」「社員がパニック発作で要休職の診断書を持ってきたのですが…」などと尋ねても、

「私は生活習慣病が専門じゃないから」
「それは精神科医の領域だよねえ」
と、相手にしてもらえません。
   最近ほとんど眠れないと訴える社員に、病院に行くよう勧めたら「俺を病人扱いするのか!」と言われたので、産業医に「たまには会社に顔を出して、面談に立ち会ってくれませんか」とお願いしました。
   すると産業医は「いま忙しいから」と断ったあげく、社長に対して「年に1回の健康診断以上のことはできないよ。無理な注文をされても困るんだよなあ」とクレームを入れてきました。
   この産業医は社長の幼なじみで、かれこれ20年以上も当社の産業医をしてもらっています。ただ、契約書に「月1回の職場巡視」とあるのに、これまで一度も実施されたことはありません。月に5万円も支払っているので、もうちょっと協力してもらえないものでしょうか。こんな状態で社員の健康を守れるのか、心配になってきました――
尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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