「背が高い人」ほど金を稼ぐ オーストラリアの労働者

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   背の高い人は背の低いよりも稼ぎがよい。そんな「身長と収入」の相関関係についての研究結果が2009年5月17日、オーストラリアの学者によって発表された。研究によれば、平均より5センチ高い身長の男性は、年収が950豪州ドル(約6万8000円)だけ多くなるという。

身長が5センチ高いと、年収が約7万円アップ

オーストラリア国立大学のサイトで研究結果の概要が紹介されている。写真はリー教授
オーストラリア国立大学のサイトで研究結果の概要が紹介されている。写真はリー教授

   研究は、オーストラリア国立大学の経済学者・アンドリュー・リー教授とシドニー大学で公衆衛生の研究をしているマイケル・コート博士の指揮で進められた。オーストラリアの成人のデータを使って分析したところ、身長が高い人ほど収入が多く、特にその傾向は男性で顕著なことが分かった。

   たとえば、身長が平均より2インチ(約5センチ)高い男性は、収入も1.5%多くなる。年収に換算すると、950豪州ドル(約6万8000円)だけ増加するという。

「身長が5センチ高くなることで得られる賃金の上昇は、仕事のキャリアを1年間多く積むのとほぼ同じだ」

とリー教授は指摘する。日本ではかつて「高学歴」「高収入」「高身長」を意味する「3高」という言葉が流行ったが、オーストラリアでは後ろの2つの間には密接な関連があるようだ。女性でも同様の傾向があるが、男性ほど強くはなかった。

肥満天国?太っていても給料は下がらない

   興味深いのは、太りすぎや肥満と収入の間には相関関係が見られなかったことだ。これまでは、米国やドイツの研究結果をもとに「太っている人ほど収入が低い」と考えられていたが、オーストラリアではそのような傾向があてはまらないことが分かった。

   その理由について、リー教授は、

「オーストラリアは他の国ほど肥満に対する偏見が強くなく、また、いまでは労働者の大半が太ってしまっているからではないか」

と推測している。

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