少しずつ進化する「Googleニュース」の気になる部分

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   仕事柄、ウェブ上で「ニュース」をよく調べるが、なんともニュースのカオス時代になったなあと思うものである。ネット環境が整備された今日では、かつての紙の時代と違って、雑多な企業がさまざまな思惑で手軽に「ニュース」に参入しており、それらは少なくとも流通面で大手新聞社などと同じ土俵で勝負できてしまう。

   こうした全部一緒くたの状況に拍車をかけるのが、GoogleニュースYahoo!ニュースのようなネットサービス大手の「アグリゲーション」(集合)サービスではなかろうか。そこでは世界一の発行部数を誇る新聞の記事とJ-CASTニュースが並ぶこともしばしばだ。

   なかには、なんだか得体のしれないニュース提供者も混じっていたりするが、多数の提供者の「ニュース」をまとめて表示してくれるのは、ひとつのトピックについて複数のソースが簡単に把握できるので、言うまでもなく便利だ。筆者としても使用頻度がとても高いサービスである。

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日本版の「1列表示」は進化か、退化か?

Googleニュースは、最新のニュース記事へのリンクを自動的に生成して一覧表示する
Googleニュースは、最新のニュース記事へのリンクを自動的に生成して一覧表示する

   Yahoo!とGoogleをくらべると、Yahoo!が編集者を介した昔ながらの編集手法をとるのに対して、Googleは、ウェブ検索と同じようにGoogleのやり方でニュースを集めている。コンピュータがニュースソースから「記事見出しを収集し、類似した内容の記事をグループにまとめ」て、自動的に生成する。イデオロギーやらなにやら、感情的動物の偏見や先入観を排除できるというわけだ。

   2004年にスタートしてから2009年現在まで、基本的なコンセプトは変わらないが微妙な進化は続けている。英語(米国)版では最近もいくつかの機能が追加された。たとえば、ニュースの見出しと同時に記者名を表示して、その記者が書いた他の記事を検索できたり、タイムラインと称して、掲載された記事がどのタイミングで公開されたか、前後関係などを視覚的に表示できるようになった。

   これらの日本版への導入時期は未定だが、それよりも筆者が最近気になったことがある。以前は「国際」「社会」といった各カテゴリーを横に2つずつ表示していたのが、日本版では1列になってしまい、ページがやたらと縦に長くなって見づらくなった。表示される写真を増やしたせいとも思われるが、英語版では相変わらず2列表示となっている。なぜ日本版がこのような独自の「進化」をしてしまったのか、そこはよくわからない。

Googleが考える「ニュース」とは何なのか?

   気になるといえば、もうひとつ。このカオス時代にGoogleニュースはどのように「ニュース」を定義しているのだろうか。

   Googleニュース日本版は、公式サイトの説明によると610以上のニュースソースから記事を検索しているという(正確な数や、ニュースソースのリストは公表されていない)。もし自分の運営するサイトが「ニュースサイト」だと思えば、Googleニュースへの登録を申請できるが、Googleの審査を受けなければならない。これはYahoo!カテゴリーのサイト登録と似ているのが少々皮肉で、Yahoo!のやり方にも少しは学ぶところがあったということになる。

   「政治的観点やイデオロギーに関係なく記事が分類」されている――。Googleはそう謳う。たしかにニュースを分類するのは公平無私な自動プログラムかもしれないが、それ以前に「どれがニュースか」を決めるのはGoogleの見えない誰かである。もしかしたら、審査も自動システム化されているかもしれない。だが、本当にそれは可能だろうか。ニュースをパロディにするような人気の「ネタ」サイトがあったとして、コンピュータはただしく判断できるのだろうか、と考えるとけっこう疑問だ。

   ニュースサイトの運営者(担当者)は、「登録」の反対に、記事を「削除」することもできる。今後一切、記事は載せてくれるなよと、「脱退」という強硬な手段にでることも可能だ。Googleのウェブ検索では、法的要請によって「検索結果を除外」したことぐらいはわかるのだが、もしそうしたことが現状の「ニュース」で起きても、見る側にはわからないのではないだろうか。

   「自動」といっても、ジュースの自動販売機のように簡単には片付かなそうな要素もあり、そこらへんがよくわからないのは、Googleニュースのすこし気になる部分だ。

虎古田

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虎古田(とらぶるた)
ネットバブル期にはIT・ネット企業を多数取材、専門誌等へ執筆。自身もネットサービスの制作に携わった経験を持つ。当時、ダメなサービスをも持ち上げてしまった反省から、現在はユーザー目線での正直な批評を心がけている。
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