2019年 11月 20日 (水)

支店の課長がオフィスで命を絶ってしまいました・・・

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   「平成20年中における自殺の概要資料」(警察庁)によると、わが国の自殺者は平成10年以来、11年間連続で3万人を超えたという。「リーマン・ショック」以降の不況の影響も危惧されるところだ。ある会社の人事担当は、職場で発生した自殺の影響の大きさに頭を抱えている。

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居合わせた上司や同僚も不安を訴える

――大手薬品メーカーの人事担当です。永く勤めていると、社員が関わる事故や事件に関わることがありますが。その中でも対応に苦慮するのは「自殺」です。
   先日、大きな支店のある会議室で、課長が首吊り自殺をしました。最初に発見した同僚や遺体を降ろした上司、消防隊を見た支店の従業員が、不眠や精神的不安定などを訴えています。
   葬儀に参列した支店長と人事担当者は、遺族から「会社のせいだ!」と激しい糾弾に遭って、精神的に参ってしまいました。
   原因は特定されていませんが、多少の時間外労働と、パワハラにあたるかどうか分かりませんが上司の叱責などはあったようです。労務管理体制や労働時間などについて、実績をさかのぼって詳しく調査し、経営陣や警察、労働基準監督署に報告しなければならなくなっています。
   社員は支社のオフィスに出たがらなくなり、オフィスを移転せざるを得ないだろうと考えています。自殺の場所から考えても、訴訟や風評リスクもあり得ます。不動産会社から損害賠償を請求されるかもしれません。
   いまは、事件をどうやって社内に伝えるべきか悩んでいるところです。事件が知られれば社員が動揺しますし、隠していてもいつかは明らかになって、会社が何か隠蔽しようとしていると憶測を呼びかねません。いずれにしてもインパクトが大きすぎる命の問題に、頭を痛めるこのごろです――

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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