2020年 1月 18日 (土)

「発達障害と診断を受けた」と社員に告げられました

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   ある人から見れば「仕事ができる」けれども、ある人から見れば「仕事がやりづらい」。そんな風に大きく評価が分かれる社員がいる。自分でも不安になって病院に行ったところ、思わぬ診断を受けた――。

   打ち明けられた人事担当者は「聞きなれない名前なので」と不安を募らせている。

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クライアントとの打ち合わせで自説を大声で主張

――OA商社の人事担当です。企画部門の部長から、ある部下について相談されています。その社員はアイデアマンで光るものを持っているのですが、仕事ができるともできないとも一言では言いにくい不可解な行動が目立つというのです。
   先日、部長とその社員がクライアントとの打ち合わせに行ったときのこと。彼は企画概要を一通り説明し、意見を聴き取る段になったのですが、企画の不備を指摘された途端に、彼は突然大声を上げて意見をさえぎり、その企画の良い点をとうとうと語り始めたのだそうです。
   当然、検討は進むはずもなく、仕事はお流れになってしまいました。驚いた部長が、帰社後に課長に相談すると、社内の仕事の進め方でもいくつか不安なことが起きていることが分かりました。

・特定の種類の仕事や方法にこだわり、他の仕事や方法ではうまく進められない
・チームで仕事をするとき、自分のペースを乱されると混乱して怒り出す
・仕事が細かく納期ギリギリだが、他のメンバーからは余計な仕事が多く見える
   そこで部長は、今回の問題をきっかけに本人と何度か面談を重ねたそうです。すると、信頼関係が築けたせいか、本人から、
「実は昨年、病院でアスペルガー症候群の疑いがあると診断されて、投薬を始めています。今まで自分の抱えてきた問題がそのせいだったのかと思うと、少しすっきりしているところなのです」
という思わぬ告白を受けたのだそうです。
   しかし、私も部長も、それがどのような病気か全く知識がなく、報道で耳にしたことがある程度なので、急に不安が募ってきました。普段は穏やかな社員なのですが、これからどう対処すればよいのでしょうか――

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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