<ビジネス敬語4>朝まで飲みたがる得意先の誘いを断るときは?

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   不景気で交際費が削られていますが、それでも取引先と食事に行く機会もあるでしょう。酔ってしまえば無礼講と気が大きくなって、本音の態度が出てしまうときもありますが、ビジネスの一環ということをわきまえておかなければなりません。

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相手を気づかいながら、自分の都合を切り出す

   洋子さんは取引先に誘われて食事に行きました。二次会まで終わってほっと一息。終電の時間も近いので、そろそろ解散したいところです。しかし、得意先の担当者が、「まだまだ行きますよ~!」と朝まで飲む気まんまん。徹夜できるほどのスタミナがない洋子さんとしては早く帰りたいのですが、どう断ればよいのでしょうか?

A.明日も早いので、このあたりで失礼させていただきます
B.まもなく終電ですよ。そろそろお帰りになりませんか?
C.いま××時ですが、○○さん(得意先担当者の名前)大丈夫ですか? 申し訳ありませんが、私はここで失礼させていただきます。

   分かりましたか? 答えはCです。酔っている相手に対しては、自分の都合や希望をきっぱりと伝えたくなるところです。しかし、ここはグッとこらえて。相手を気づかう姿勢を見せてから、自分の都合を切り出しましょう。


ポイント1:「ポジティブ変換」の法則

   Aの「明日も早い」という理由では、相手から「僕も早いから大丈夫」といわれてしまいがち。ここは余計なことは言わず、「私はここで失礼させていただきます」だけにしましょう。早い時間なら「社に戻らないといけないので」という理由を使ってもいいでしょう。

ポイント2:「クッション語」の法則

   相手は酔っているので、時間など気にしていないのでしょう。まずは「いま××時です」と知らせて、現在の時刻を認識してもらいましょう。さらに「○○さん大丈夫ですか?」と相手を気づかう言葉をかけて、遠回しながら「もうかなり遅い」ということをアピールします。

ポイント3:「お詫び」の法則

   半ば強制的であっても誘われているわけですから、お断りする場合は先にお詫びの言葉を。Bのように「帰りませんか?」では、ちょっと一方的です。飲む気まんまんの相手にとっては、水を差すようなもの。自分のことだけを伝えるに留めたほうが無難です。

別れ際に気を配らないと思わぬ失点に

   次のような言い回しは、ありがちですが、ビジネスマナーとしてはNGです。


NG1:「家族が心配しますので、今日のところは帰らさせていただきます」

   もし本当のことだとしても、ビジネスの相手に対してむやみに家族の話を持ち出すのは避けたいものです。また「帰らさせて」は過剰な敬語。正しくは「帰らせて」です。しかし、ここは「本日は失礼いたします」というのがベスト!

NG2:「朝まではちょっとお付き合いしかねます」

   「~しかねます」は否定の度合いが強く、相手の気を悪くする可能性があります。「朝までは」よりも「いま××時です」と時間を認識させる方向で。

NG3:「それでは、今日のところはこの辺で!」

   相手によるかもしれませんが、得意先に対する言葉にしてはラフすぎますし、一方的な印象を与えます。「今日」とは言わず、「本日」といいます。


   最近は、若い人たちが以前よりお酒を飲みたがらなくなり(特に仕事がらみで)、酔った人への「不寛容」の気持ちも強いようです。しかし、別れ際に気を配らないと、相手の機嫌が害し、翌日から態度が変わってしまうこともあります。取引先の誘いを恐縮しながら断るという姿勢を忘れると、思わぬ失点になることもあるので注意しましょう。

西出博子

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西出ひろ子(にしで・ひろこ)
マナーコミュニケーションコンサルタント。英国法人WitH Ltd.役員および同社日本支社代表。株式会社ウイズ代表取締役。国会議員秘書、英国留学などを経て、独自のマナースタイルを確立。09年12月よりauとSoftBankでケータイ公式サイト「携帯ビジネスマナー」を、10年2月よりNTTドコモでビジネスマナー連続ドラマ「アベクン」をスタート。『完全ビジネスマナー』(河出書房新社)など著書多数。

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