いま「第二のロスジェネ」が生まれようとしている

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   先日、取材で「鳩山政権に変わって、若者にとって良くなったことはなんですか?」と質問され、おもわず固まってしまった。負の影響以外、何も思い浮かばないからだ。

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政権交代で露呈した「現実」

   僕自身、先の総選挙では変化を期待し、民主党に投票した一人である。が、郵政民営化とか後期高齢者医療制度とか道路公団民営化とか、自民党がやった数少ない正の部分をすべてぶっ壊してくれたので、はなはだ遺憾に思っている。田んぼに雑草が生えたので除草剤撒いたら、稲だけ枯れてペンペン草だけ生い茂ったみたいな寂寥感を日々感じているところだ。

   そのくせ、(公金200億投入による)旧国鉄ゴネ職員の再雇用とか派遣再規制とか、余計な政策を実行する手際の良さだけは異常だ。ほんと、度胸があるというか図太いというか、実に不思議な政権である。

   それでも、個人的には政権交代してよかったと考えている。それは2つの理由からだ。まず、長らく政権に居座ってきた自民党が、引っ張り降ろしてみたら単なる“与党同好会”にすぎないことがはっきりしたことだ。同好会なのだから、理念やビジョンなんてあるわけがない、また、与党じゃなくなった以上は同好会から離脱する人がいるのも当然だ。

   ついでにいうと、現政権も“反自民同好会”なので、自民が崩壊すればこちらも自然と崩壊するはずだ。今度の参院選で過半数を割り込めばそうなる可能性が高い。

「新規採用半減」で得をするのは誰なのか

   そして、政権交代して良かったと思う2番目の理由は、これで日本の進むべき道がはっきりしたということだ。

   民主およびその他与党は「構造改革のせいで格差が拡大した」と宣伝して政権を獲得したが、彼らがやっていることは、中高年既得権者への露骨な利益誘導でしかない。

「そうか、小泉政権のせいで僕らは苦しんでるんだ」

と騙されているロスジェネもいると思うが、目を見開いて現実に起きていることを見るといい。先日、政府は「国家公務員人件費2割削減」というマニフェストのために、来年度の新規採用を半減させるという政策決定を下した。いま、まさに第二のロストジェネレーションが生まれようとしているわけだ。

   今の日本に必要なのは、新卒、正社員、非正規雇用すべてを含めた自由競争であり、それを一時とはいえ掲げた構造改革の推進である。鳩山政権は、それ以外のいかなる解決策もありえないという現実を、自らの無能ぶりを持って証明してくれているようなものだ。

   というわけで、鳩山総理および閣僚の皆さまには、心からお礼を申し上げたい。ありがとう! そしてさようなら!!

城 繁幸

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人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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