日大卒の社長が多いのはなぜなのか

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   東京商工リサーチ(TSR)が2010年9月に発表した「全国社長 出身地・出身大学調査」によると、出身大学別の社長数では、日本大学の2万4160人が最も多かったという。2位には慶應義塾大学(1万3186人)、3位には早稲田大学(1万2788人)が続いている。

「建築・土木業界」での強さも影響?

出身大学別の社長数(出典:東京商工リサーチ)
出身大学別の社長数(出典:東京商工リサーチ)

   この調査は、TSRの企業データベースから約210万件の代表データを抽出し分析したもの。データには法人化していない個人企業を含む。

   日大卒社長の多さについて、調査元の担当者は「詳細は分析していないが、卒業生数が多いことが関係しているのかもしれない」と推測する。

   各大学の広報部によると、卒業生の総数は、慶大の33万人、早大(含推薦)の55万人に対し、日大は約103万人。確かにこれだけ多ければ社長数も多くなる可能性があるが、日大側でも「理由は把握していない」そうだ。

   都内に勤務するAさんによると、建築・土木業界には日大OBが多く、影響力も強いという。平成21年の一級建築士試験の出身大学別合格者数は、日大が1位で273人。2位の東京理科大(187人)、3位の早大(131人)を大きく上回る。

「建築士などの資格を持って、独立して事務所を持ったり、家業を継いだりしている人が多い可能性はあるんじゃないですかね。建築・土木は、戦後の成長期を支えてきた業界ですから、社長も多いんじゃないですか」

というAさんの仮説には、それなりの説得力がある。

   なお、大学学部別の上場企業の社長数ランキング(「プレジデント」2010.10.18号)でも、上位を慶大、東大、早大が占める中、建築学科や土木工学科などを擁する日大理工学部が15位に食い込んでおり、この分野での強さを実証している。

社長輩出率トップは「山形」か「福井」か

   また、TSRの調査によると、総人口に対する「社長輩出率」が最も高いのは山形県(1.28%)だった。「伝統工芸品の宝庫」と称されるほど家内工業が盛んで、江戸時代の北前船交易で栄えた港町では商工業の重点が高いのが、その理由らしい。

   ただ、別の説もある。10年1月に公表された帝国データバンク(TDB)の約116万件のデータ(個人経営の代表者を含む)によると、人口10万人あたりの社長輩出数は、福井県が1681人と最も多く、調査開始以来28年連続でトップだという。

   福井県には、国内シェア95%以上を占める「眼鏡産業」や、約40%を占めるポリエステルをはじめとする合繊や長繊維の「織物産業」など、独自の地域産業を築いて、次世代に継承する環境が整っていることが理由のようだ。

   TSRとTDBの調査で、結果が異なった理由は何か。両社の担当者は、ともに「基となるデータの違いとしか言いようがない」という回答だった。とはいえ、小さな順位の違いを別とすれば、上位の県は共通するところが少なくないという。とりあえず「社長輩出率のトップは、山形と福井の二つの説があるらしい」ということでどうだろうか。

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