やる気を高める「成功五分の法則」で目標を達成する

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   新年のはじめには、1年間の抱負や目標を立てた人も多いでしょう。しかし、年を終えて何も達成できていないことに気づくと、がっかりして強いストレスを感じるものです。今年こそは目標を着実にクリアして、ストレスの少ない確かな成長を実現しましょう。

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できるかできないかの境目がモチベーション高める

「上手な目標の立て方」で確かな成長を実現する
「上手な目標の立て方」で確かな成長を実現する

   1年の目標と言っても、「今年こそ年収10倍アップを実現するぞ」と極端にハードルを高くしても、モチベーションは上がりません。逆に「今年も毎日通いなれた職場に通うぞ」とハードルを下げすぎても、やる気は出ないものです。

   米国の心理学者アトキンスンが提唱した「達成動機理論」でも、モチベーションは目標の達成確率が五分五分(5割)になったときに、最も高まるとされます(成功五分の法則)。

   やる気を持続させ、着実な努力を続けるためには、目標を適切なレベルで設定することが最も重要です。科学的な筋力トレーニングでも、やりすぎで身体を壊さないよう、チャレンジの限界として120%程度の負荷を設定します。

   また、トレーニングは適度なインターバルを置き、身体を休めながら行います。

   この概念を通常の計画に当てはめると、自分の限界をはるかに超えず、かといって簡単には達成できない120%程度の目標を立て、ときには休息を交えながら、一つひとつ物事に取り組むことが大切ということになります。

   さらに、自分自身が納得して目標を設定することによっても、モチベーションは高まりますし、それを自力で達成することで、以前解説した「首尾一貫感覚(SOC)」における「処理可能感」が養われ、ストレスに強い精神力がつきます。

   子どもや部下には、ただ目標を押し付けるのではなく、自分自身で設定させ、自力で達成感を味あわせることの重要性は、この点にあります。

登山のように「5合目」の道筋をつける

   適切な目標達成は重要ですが、かといって理想を高く持つことが悪いわけではありません。ただし、とてつもなく大きな目標を立てるときでも、そこに至る道筋をうまくつけることも重要です。

   実現可能性のある到達地点を細かく分けると、実現の方法を考え努力するモチベーションが上がります。

   ちょうど登山において、頂上を目指すと宣言するだけでなく、何合目まで「いつ」「どのようなリソース(人、モノ、カネ、情報など)を使って」「どのように」到達するかを刻んで計画するのと同じ考え方です。

   いまや世界企業となったユニクロや楽天、ソフトバンクなども、創業時から高い目標を立て、それを年や月で区切り、達成のための方法を一つひとつ実現していったわけです。

   夢を持ち続けているだけでなく、達成のためのアクションを着実に実行することで、もしも夢が実現しなくても、その過程で成長が身につくわけです。

   もちろん、夢が実現すれば大きな達成感と開放感を得ることができるでしょう。あらためて今年の目標と通過点を、自分なりに練ってみてはいかがでしょうか。


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今回の筆者:笹原 信一朗(ささはら・しんいちろう) 2003年筑波大学大学院医学系・博士課程修了。医学博士。職域におけるうつ病の予防医学研究に従事。現場の産業医と精神保健指定医の経験を積み、05年4月より筑波大学大学院講師。予防医学のリテラシー教育にも積極的に取り組んでいる。

筑波大学大学院・松崎一葉研究室
高度知的産業に従事する労働者のメンタルヘルスに関する研究を行い、その成果を広く社会還元することを目指している。正式名称は筑波大学大学院人間総合科学研究科 産業精神医学・宇宙医学グループ。グループ長は松崎一葉教授(写真)。患者さんを治療する臨床医学的な視点だけではなく、未然に予防する方策を社会に提案し続けている。特種な過酷条件下で働く宇宙飛行士の精神心理面での支援も行っている。松崎教授の近著に『会社で心を病むということ』(東洋経済新報社)、『もし部下がうつになったら』(ディスカバー携書)。
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