「静かな言葉」に思わぬ効果 お客にも部下にも使える

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   2010年の夏、iPhoneアプリで「口にするだけで結果が出る!黄金のフレーズ」という電子書籍をリリースしました。おかげさまで、一時はApple Storeのブックカテゴリーで1位を獲得。うれしい気持ちと同時に、誰もが一言の重みを痛感しているのだな、と気づく機会となりました。

   今回は、そこで紹介できなかったフレーズを1つ紹介しましょう。それは「みなさんのおかげなんですよ」という言葉。いまどき謙虚だなんて損をするだけ、と思う人もいるかもしれませんが、実はまだまだ効果があるものです。

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大声で誇示するのは男の悪いクセ

静かな伝え方がより効果を上げることがある
静かな伝え方がより効果を上げることがある

   経営者というのは、自分の部下や大事なお客さんなど、人を動かす仕事、人に動いてもらう仕事です。男性の役目というイメージがありますが、実は女性の方が向いているのでは、と思うことが少なくありません。

   特に、何気ない言葉で物事を動かしてしまう才能に恵まれた経営者には、女性が多い気がします。

「私は営業が下手なものですから・・・。周りの皆さんが手伝ってくれるんです。みなさんのおかげなんですよ」

   そんなフレーズが口癖なのは、あるPR会社を経営する40代の女性社長。「この間も、○○さんからお客様を紹介いただいたんです。みなさんに支えられているんですよね」といつも静かに言っています。

   もちろん、これは周囲に対する感謝の気持ちを表しているだけなのかもしれません。しかし、それも謙虚な心構えがなければ言えることではありません。

   ただ、営業ウーマン、経営者としてみれば、彼女はむしろ営業や経営の才能があって、周りの仲間に「なんとか協力してあげよう」と思わせているということもできます。

   男性はつい、いい気になって何でも自分の力でやったと思いたがり、大きな声で誇示したがります。しかし、それは自己満足でしかなく、未来にトラブルの種を蒔いているだけなのかもしれません。

   この女性社長は、部下やお客さんとの間でトラブルなど困難な局面を迎えたときにも、感情を爆発させることはありません。相手に責任がある場合でも、良心に訴えるように、

「残念です、真剣にとりくんできたのに・・・」
「ショックです、こんな結果になってしまって・・・」

と静かに言うのです。

相手の良心に訴えて言い分を通す

   誰もが面と向かって強く批判されるのは、気分のいいものではありません。「まずいな、ちゃんとやらないと」「自分も悪かった」と気づきを促す方が、実は効果的。そうやって、自分が思うようなシナリオに持ち込むわけです。

   自分の願いが反故にされたときは、自分が一生懸命やってきたことが実現できないことへの悲しみを、静かにぶつけてみましょう。強く詰問されるより、悲しんでいる姿を見せるほうがずっと相手には堪えるものです。

   これは、恋愛の常套テクニックとも似ています。

「私って大事にされてなかったのね」
「私がこれまでやってきた答えが、これなのね」

   大切な相手から面と向かってこう言われると、かなりこたえるものですが、さらに胸を締め付けられるのは、不慮ながら約束を守れなかったとき、相手に何も言われず黙って下を向かれるときです。

   相手からこうされてしまうと、もうなす術がなく、相手の言いなりになるしかありません。

   「次の案件、御社で行きますよ」と口約束をされて、結局はどんでん返しで反故にされたようなときには、こういう手も使えます。

   しかし、大の男が黙ってうつむくなんてことはできない、という人は、相手から少し反感を受けるリスクを負いつつも、

「もし逆の立場で、同じことをされたらどう思います?」

と、静かに訊いてみる方法があるかもしれません。

   こう言われてしまったら、お客さんも次回はこちらの言い分を飲まざるを得ないでしょう。静かな伝え方が、より効果を上げることがあるということです。

高城幸司

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高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。「高城幸司の社長ブログ」
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