「社会ってそういうものだから」 過剰適応を求める「社二病」の人たち

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   トレンダーズが実施した意識調査によると、「いま、仕事に対して熱意を持っているか」という質問に「とてもある」「ややある」と答えた人の割合は、入社1年目の新人で73%、3~5年目の社員で65%と比較的高い割合を示したという。

   一方、3~5年目の社員で熱意が「あまりない」「全くない」と回答した人に、熱意を失ったタイミングを聞いたところ、3年目までと答えた人が87%となった。全体の3割が、入社3年以内に仕事に対する熱意を失っている計算となる。

カロリーメイトのありがたみ強調

入社2年目に仕事への熱意を失った人が最多(出典:ダイハツ工業)
入社2年目に仕事への熱意を失った人が最多(出典:ダイハツ工業)

   入社2~3年目といえば、職場や仕事に慣れてくる時期だ。労働環境がよかったり、自分の成長が実感できたりすれば、仕事への熱意がいっそう高まる人もいるだろう。

   逆に現状を知ることで、問題点が目に付きやすくなる時期でもある。上司や先輩に対して不満を感じたり、やる気を失ったりすることもある頃だ。社会人生活にとって最初の分かれ道となるタイミングといえる。

   社会人2年目にありがちな「ある種の言動」について、ネット上で「社二病(しゃにびょう)」と呼ぶ動きがある。思春期特有の自意識過剰な中学2年生を揶揄した「中二病(ちゅうにびょう)」をもじったものだ。

   やり玉にあがっているのは、社会や職場の問題に直面しているのにもかかわらず、その解決に向かわず、他人に適応を強く求めたり、さらに状況を悪化させる言動をする人で、具体的には次のようなものだ。

・世の中の構造的な問題を指摘する人を、「気持ちはわかるけど、社会ってそういうものだから」と批判する
・就職活動の不毛さを口にする学生に、「まあお前らはまだ学生気分なんだろうけど、それじゃ社会に出て通用しないよ」と反論する
・徹夜で仕事をしたり、睡眠不足であったりすることを自慢する
・「仕事が忙しくて」といえば何でも許されると勘違いする
・忙しい自分に酔いしれて「いや~。社会人になってからカロリーメイトのありがたみが分かったわ~」と言う
・強い栄養ドリンクを飲んで「だんだんキツいのじゃないと効かなくなっちゃってさー」と聞こえよがしに言う

   まともな食事もできずに体力を消耗させる労働環境は、誇るべきものではなく、改善すべきであるということだろう。

「ブラック労働者」として認知されるか

   ツイッターで「社二病」に関する投稿をまとめたever_neet氏によると、社会や職場の環境に問題があったり、理不尽なことがあったとしても、「自分が適応すればよい」「自分が成功しさえすればよい」とする考え方や行動が、「社二病」に当たるという。

   ただ、自分のことは自分で責任を持つという点では、社会人として頼もしい姿勢という見方もあるし、社会的に成功した経営者が「ダメなヤツほど環境のせいにする」「他人のせいにするヤツは成長できない」などとする主張に一致するところもある。

   しかし、劣悪な環境を追認し、

「適応できる自分はすごい」
「社会がそうなっているのだから仕方がない」
「文句いうやつは甘え」

と現状を追認する人ばかりなら、働きにくい世の中がいつまでも続くことになる。

   特に、劣悪な環境から抜け出せずに苦しむ社会的弱者から見れば、感情的にも許しがたい点もあるだろう。環境への不満を溜め込み仕事への熱意を失うのではなく、かといって問題点に目をつぶって現実を追認するのではない、第三の道を模索するのが理想だ。

   ever_neet氏は、「社二病」の言動を「自分本位」と批判する。挙げられている例は、まだ笑いのネタの範囲を出ないようなものもあるが、さらに事例が増えていけば、「ブラック労働者」としての認知が高まるかもしれない。

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