「いまの若者は宇宙人」 社長の嘆きに若手から反論

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   物流・運送業界の総合情報サイト「物流ウィークリー」に、今どきの若者の働きぶりに関するコラムが掲載されている。埼玉県のある運送会社の社長は、最近の若いドライバーに対し「言われたことはやるが、それ以外のことはまったくやらない」と苦言を呈する。

   トラック2台で積み込みや荷下ろしに行ったのに、自分のトラックの作業が終わると一方の作業を手伝おうとしない。「若い子すべてとは言わないが、そういう気が付かない、あるいは気が利かない子が多い」のだそうだ。

「条件が違えば文句を言うのは当たり前」

ほとんどの人が運送業界の恩恵を受けている
ほとんどの人が運送業界の恩恵を受けている

   また、交通事情などで労働時間が長くなると、「条件と違うと平気で文句を言ってくる」。そんな若手社員を、社長は「まるで別世界にいる宇宙人」と称し、話が通じやすい「30代以上で妻子を持っている人を積極採用している」と明かす。

   千葉県の運送会社の社長も、「いまの若い子には、やるぞという覇気のある子が少なくなった」「(これだけ稼いでやる、いい車に乗ってやるといった)夢がないから覇気がない」と感じている。

   この批判に、若手ネットユーザーたちは黙っていない。

「給料安いのに良い人材が欲しいとか、最近の経営者の甘えがひどすぎる」
「『条件と違う』で文句言うのは当たり前」

   妻子持ちを積極採用する理由についても、「どんなに待遇が酷くても家族を養うためには簡単に辞められず、何でも言うこと聞くから」「結局こき使われて身体壊してバカを見るだけ」と批判する人もいる。

   一方、気が利かないという指摘は「正直、当たってる」と認める人も。

「荷台の中身は均一じゃないんだから、手伝って当たり前」
「自分が手伝って欲しい時には、何で手伝わないんだと怒るくせに」

   気が利かない理由を、「夢がない」ことと結びつける声もあった。「確かにいい車に乗りたけりゃ、他人の仕事を奪ってでも働くわな」

夢はないけど「早く帰らせて欲しい」

   その一方で、「別にクルマなんていらねえ。給料くれたら早く帰して欲しい」と反論する人もいる。この「欲のなさ」が仕事ぶりに影響しているのかもしれない。

   作家の村上龍氏は著書「逃げる中高年、欲望のない若者たち」の中で、自家用車や海外旅行を欲しない若者について、

「今、欲望は退化してしまっているのだ。単にそれだけの話で、若者たちがだらしないわけでも無能なわけでもない」

と評している。戦後の焼け跡を経験したかどうか、飢えから脱したいという欲望を持ったことがあるのかないのか。この点が「夢」を持って会社を作った社長と、「宇宙人」な若者との違いの根幹なのかもしれない。

   ただ、クルマはいらないから「早く家に帰らせて欲しい」「プライベートの時間を削らないで欲しい」という願いだって、ある面では健全な欲求だろう――。若者からは、そんな声も聞こえてきそうだ。

村上龍:逃げる中高年、欲望のない若者たち
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