先行き不透明な時代には「人脈」がモノを言う

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   終身雇用という幻想が崩れ、転職は当たり前の選択肢になりつつあります。また、同じ会社に勤めながらも、ビジネス環境の変化に対応するために会社が事業内容を大幅に変えて、自分が未知の分野に挑戦せざるを得なくなることもあります。

   自分が望んでいようといまいと、ビジネスパーソンをめぐる環境は非常に高い時代であると言ってよいでしょう。そのとき、会社に依存し目の前の仕事にしか意識が行っていなかった人は、例外なく苦労します。そのリスクを下げるのが「人脈」なのです。

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名刺の枚数誇る「人脈マニア」じゃ意味がない

「人脈地図」で今後の課題を考える
「人脈地図」で今後の課題を考える

   自分にないものを持ち、将来に向けて自分の財産になる人たちとの関係――。それが人脈です。特定の環境に依存せず、ひとりのビジネスパーソンとして地に足をつけて成長をしていくために、今後「人脈」はいっそう重要度を増していくものと思われます。

   自分の世界でライバル的存在となる人や、日常とは異なる刺激を与えてくれる人、広くモノを知っている人などと付き合うことで、ひとりだけでは気づくことができなかった新たな景色が見えてきます。

   自分の知的領域や関心領域を広げてくれる相手、あるいは自分を多様化してくれる相手と言ってもいいかもしれません。自分を高めてくれたり、自分を広げてくれる相手こそ、真の人脈といえるものです。

   一方で、「名刺を1万枚持ってます」と面識のある人の多さを自慢しても、意味がないでしょう。人脈は、あくまでも自分の人生の目標や目的を達成するための手段。インプットばかりでアウトプットのない、いわゆる「人脈マニア」を目指すべきではありません。

   それでは、どのような視点を持って人脈を広げていけばよいのか。若手ビジネスパーソンを例にとって考えてみましょう。

   まずは人脈を、縦軸と横軸に囲まれた4つの領域で整理します。縦軸に、「距離が近い(社内)-遠い(社外)」、横軸に「即効性-遅効性」を置くと、若手社員が最初に固めるべきなのは「すぐに役立つ、身近な人脈」であることが確認できます。

   何かあったときにすぐに質問できて、明日の仕事で使える具体的なことを教えてくれる同じ部署の先輩や上司と良好な関係を築き、いろいろ教えてもらいましょう。これが人脈構築の第一歩となります。

「同じ職種の、違う会社の人」を狙え

   問題はその先です。「人脈」というと、異業種交流会などに出て知り合いを増やすようなイメージがありますが、このような人たちは「のちのち役立つ、遠い人」という領域に属するグループです。

   彼らは、長い目で見ると自分に刺激を与えてくれる可能性がないとはいえませんが、関係を維持するためにはそれなりの労力がいります。「何かやろう」と集まっても、結局は糸口がつかめずに終わることも少なくありません。

   それよりも、「すぐに役立つ、遠い人」との関係を構築する努力をすべきです。例えば、同じ会社の地方支社の人。先輩などに頼めば、同じ問題について違うアイデアを持っている人を紹介してもらえるかもしれません。

   または、同じ職種だが違う会社の人。彼らがどういう問題意識を持って仕事に取り組んでいるのか知ることができれば、視野が広がります。こういう人と知り合うにはハードルが少し高くなりますが、いまの時代にはソーシャルメディアを通じて探す手があります。

   また、「のちのち役立つ、身近な人」も大事にした方がよいでしょう。現在の仕事の直接のつながりはないけれど、さまざまな分野で活躍している人たちとコネクションができていると、将来に活きることがあります。

   同じ社内の他部署の先輩で、気になる仕事をしている人はいませんか。せっかく同じ会社なのですから、思い切って話しかけてみてもよいのではないでしょうか。

高城幸司

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*2011年2月、『自分を刺激し、成長させる 人脈地図の作り方』が日本能率協会マネジメントセンターより発行されました。

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。「高城幸司の社長ブログ」
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  • 発売元: 日本能率協会マネジメントセンター
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2011/02/25
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