楽天トラベルが国内旅行で2位に浮上 日本旅行、近ツリ抑える

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   2010年度の国内旅行取扱額で、楽天トラベルがJTBに次ぐ2位を獲得したことが分かった。日本旅行、近畿日本ツーリストを抜き、前年4位から浮上した。

   前年度実績を下回る会社が少なくない中で、インターネット専業の楽天トラベルは前年度比115.6%。「リアル店舗販売を中心とした既存の旅行会社の存在意義が問われている」という指摘もある。

「旅行で貯めたポイントを通販で使えるのが人気」

「出張にはネット旅行会社が便利」という評判は以前からあった
「出張にはネット旅行会社が便利」という評判は以前からあった

   この数値は、旅行会社からの任意の報告に基づく観光庁資料による。「じゃらん」を運営するリクルートや、「Yahoo!トラベル」などの取扱額は未掲載だが、国内最大級の約2万件以上の宿泊施設を登録する楽天トラベルの「国内部門2位」には影響がないという。

   楽天トラベルの広報は、取扱額が伸びた理由について「従来からのビジネス用途に加えて、2人以上で利用できる個人のレジャー企画を強化したことが実を結んだ」と見る。

   従来の旅行代理店が旅行商品の仕入れ・販売を行っているのに対し、楽天トラベルのようなネット旅行会社は宿泊施設と利用者のマッチングを行う「場の提供」に徹している。

   商品在庫を持たず、宿泊施設からの情報掲載料と契約成立時の仲介手数料から収益を得る。宿泊施設へ人気の企画を提案し、販売促進を図るコンサルティングも行う。

   ネット販売はパンフレットなどの印刷が不要で、店舗販売に比べ休日間際予約などに柔軟に対応した企画を立て、すばやく告知できる強みがある。

   旅行者の消費行動に詳しい旅行ジャーナリストの村田和子氏は、楽天トラベル人気の理由は、通販最大手の楽天と連動する「ポイント制」が大きいと指摘する。

「旅行の予約をするためだけに、個人情報を新たに登録するのは面倒。日常的に利用している楽天のIDが共通で使えるのはありがたいです。旅行で貯まったポイントを他の買い物でも使えるところにも、楽天のメリットを感じる人が多いと思います」

   他の旅行サイトでは、旅行で貯まったポイントを、年に数回しか行かない旅行でしか使えないところもあり、ポイントが死蔵されがちなのだという。

高額ツアーや海外旅行は「店舗の安心感」も

   楽天トラベルの台頭について村田氏は、リアル店舗販売を中心とした既存の旅行会社は、ネット販売に対抗してどのような価値を提供するか、検討が急務だという。

   国内旅行におけるネット利用者が増えているのは、自宅で好きな時間に選べる利便性のほか、旅行会社からの売り込みよりも他の利用者の感想、つまり「口コミ」が重視されているからだ。

   一方で、高額なツアーは信頼できる会社から買いたいというニーズもあり、万一のトラブルが起きた場合には旅行会社が対応に当たってくれるという期待感、安心感もある。

「海外における口コミは、まだまだ断片的なので、海外旅行は現地の情報に詳しい店員と相談しながら内容を決めるお客さんが多く、店舗販売を支持する層が根強いです」

   この点は「仲介」を生業とするネット専業会社よりも、既存の旅行代理店に軍配があがるところだ。海外旅行でも楽天トラベルは取扱額を伸ばしているものの、トップのエイチ・アイ・エスとは20倍以上もの大きな開きがある。

   ネットには「旅行の窓口販売は中高年専門だけ生き残る」という書き込みも見られるが、果たしてどうか。ネット側も信頼性向上に向けて、工夫を凝らすことだろう。リアル店舗とネットの競争は、今後激しさを増しそうだ。

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