2019年 7月 20日 (土)

米MITが大きな成果を上げている3つの理由

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   英ガーディアン紙2011年5月18日付に、興味深い記事が掲載されている。創立150周年を迎える米国の名門大学マサチューセッツ工科大学(MIT)の実態に切り込んだ「MIT因子(The MIT factor):異端の天才による150年の歴史を祝す」という記事だ。

   現存するMITの卒業生を調査したところ、「彼らは2万5800もの会社を設立し、300万人の雇用を生み出していた」ことが分かったという。これには、シリコンバレーの雇用の約4分の1を含む。「もしMITが国家だとすると、世界で11番目のGDPを有することになる」

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ノーベル賞77人はハーバードを上回る

   1861年の設立時から、MITは同じボストン市内のハーバード大学とは対照的な教育方針を持っていた。チャールズ川の上流にキャンパスを置くハーバードは、英国のオックスフォードやケンブリッジをモデルに上流階級用の古典教育にこだわり、ラテン語やギリシャ語に力を入れていた。

   これに対してMITは、研究と実践的な実験による学習というドイツ的なシステムを採用した。「知識は重要だが、有用でなければならない」という考え方がMITの伝統なのだ。同大学のエド・ロバート教授(技術革新・起業)は言う。

「もし君が素晴らしいアイデアを思いついたら、それはグッドだ。研究でノーベル賞を取ったら立派だね。でも、もしそのアイデアを応用し、世界を変革するようなものを作り出したら、その時にこそMITで称賛を浴びることになる」

   とはいえ、MITの卒業生や1年以上在籍した研究者の77人が、ノーベル賞を獲得している。これはハーバードの74人を上回る数字だ(Wikipediaによる)。

   注目すべきは、MITは米国の主要大学としては非常に小さい規模の大学であること。学生数は約1万人、教員数は約1000人に過ぎない。日本の東大や早慶に比べてもだいぶ小さく、東京工業大学と同じくらいだ。それでいてこの結果は、あっぱれと言うべきだろう。

   そんなMITの強さの秘密は、どこにあるのか? 記事を基に、3つのポイントを挙げておきたい。

   1つめは、国籍や人種などがバラバラの人間が集い、切磋琢磨していることだ。MITのスタッフの約40%が米国以外の生まれで、「世界中から有能な人材を引き寄せる磁石」(ホックフィールド学長)となっている。米国人だけ、あるいは日本人だけの集団では作れない刺激的環境がそこにはある。

小田切尚登
経済アナリスト。明治大学グローバル研究大学院兼任講師。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバ等の外資系金融機関で株式アナリスト、投資銀行部門などを歴任した。近著に『欧米沈没』(マイナビ新書)
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