「ゆとり世代も期待すれば伸びる」 経営学者が指摘

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   人気経営学者が、「ゆとり世代」の人材教育法について語っている。

   ひと言でいえば、上司や管理職が「ゆとり世代」のレッテルを貼らず、「この若者が伸びる」と信じて接すれば、実際に仕事ができる人に育っていくということだ。

新人にも「ピグマリオン効果」が当てはまる

金井壽宏教授「ゆとり世代の人材教育」(『季刊ひょうご経済』より)
金井壽宏教授「ゆとり世代の人材教育」(『季刊ひょうご経済』より)

   この論は、ひょうご経済研究所が発行する『季刊ひょうご経済』に、神戸大学大学院の金井壽宏教授が寄稿したもの。金井教授は組織論など多くの著書を持ち、ビジネスパーソンの読者も多い人気経営学者だ。

   ゆとり世代とは、1987年4月以降に生まれ、「反つめこみ教育」の学習指導要領に沿った教育を受けた人たちを指す。在学中から、

・基本的な知識力や学力が低く、集中力が持たない
・浅いコミュニケーションしかできない
・言われたことしかできない、指示待ち
・失敗を極端に恐れる、自分の頭で考えない
・マニュアルや答えを求める、気が利かない
・打たれ弱く、注意されるとすぐめげる

と指摘をする人が相次いでいた。また、この世代が2010年の春に大学を卒業し、企業に就職した際には、非常識な行動をとる新人が多いという話が報じられたりした。

   しかし、金井教授のゼミに「ゆとり世代」が入ったときには、いわゆる「マスコミで言われるような変化」は感じなかったという。その上で、会社の上司や先輩が「根拠のない思い込み」を持って接することが、若者の成長を阻害すると警鐘を鳴らす。

   論拠としているのは、「ピグマリオン効果」という教育心理学の理論。教師の期待によって学習者の成績が向上するというものだ。

   要するに、ゆとり世代の若者たちも、先生に褒められて伸びる小学生と同じように、上司が「お前はいけるぞ」といえば元気に頑張れるし、有効なヒントを与えることで実際に営業のトップになれたりするという。

「問題は現実に起こっている」という指摘も

   逆に、上司や先輩が「ゆとり第一世代」とレッテルを貼り、「ゆとり世代はなってない」「あいつらと自分らは違う」「指示しないと動かない」と本気で思い込んで接することで、思い込みどおりの社員になってしまうというわけだ。

   昔からある「今どきの新人は」という言い方は、コミュニケーションを悪化させるだけ。日本の復興のために粘り強く振る舞える人間になってほしいと思うなら、「荒削りだけど、若者はすばらしい」と思って接することが必要、と金井教授は指摘する。

   この意見には、反論もある。都内の大手企業に勤める50代の総務部マネジャーは「期待以前に、問題は現実に起こっていること」として、彼らの特徴に合った具体的な対策を打つ段階にあるという。

「仕事の進め方が分からなくなったとき、誰にも相談せず自分で抱え込んで立ち止まってしまったり、投げ出してしまったりする人が目立つ。仕事の指示は細かく、進捗状況の確認もこまめにしないと危ないというのが、マネジャーの話題になっています」

   一方、中堅企業に勤める30代の人事部員は、「採用を厳選してきたせいか、優秀な人材は揃っている。ゆとりが劣っているという感覚はない」と明かす。それよりも「口ばっかりで手を動かさない人ほど出世してきた中高年」から悪い影響を受けないで欲しいと感じているそうだ。

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