「トイレ掃除は契約書にないよ!」 外国人スタッフが反乱

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   欧米企業には、詳細なジョブ・ディスクリプション(職務記述書)があり、責任・権限の範囲や具体的な仕事内容、期待される成果や予算枠などが詳細に記載されていると聞く。それ以外の仕事が急に発生しても「絶対やらない」と突っぱねているのだろうか。

   ある会社では、増やしつつある外国人労働者たちから「その仕事は雇用契約書にない」と言われるケースが目立つようになってきたという。

外注したら年間1000万円もかかる

――地方の工場長です。数年前から外国人労働者を受け入れてきましたが、ここのところ彼らが団結して、主張を強めるようになってきました。

   うちの工場では、トイレ掃除を従業員自ら行っています。そのことで、清潔に使おうという意識が高まりますし、清掃会社に支払う外注費も節約できました。

   外国人が数人のときは、日本人に混ざって手伝いをしていましたが、人数が増えるにつれて不満が漏れ出し、ついには「トイレ掃除は私たちの仕事ではない」と言い出しました。

   彼らの言い分は「雇用契約書に書いてない」とのこと。しかし、箸の上げ下ろしまで全て契約書に盛り込むなんてことはできません。

   トイレ掃除も工場内の設備であり、作業場周りの清掃もさせているので「これは“その他付随する一切の業務”に含まれてるんだ」と言いましたが、どうしても認めません。

   ずっと以前には、職場の掃除は就業時間外に、それぞれが自主的にやっていたことを思い起こすと、隔世の感があります。

   いまのところ仕事はとても真面目にやっているので、事を荒立てたくないのですが、もしも彼らが従わないと、年間1000万円の外注費がかかってしまいます。どう考えればいいのでしょうか――

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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