2024年 4月 19日 (金)

イケメン君に女性スタッフ食われまくり 「歯止めかけたい」

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   職場では若手の採用が減り、仕事量の増加に伴い社外の交流も少なくなって、「出会いの機会」がないという嘆きの声を聞く。強いフラストレーションを感じている人もいるようだ。

   ある会社では、イケメンの男性社員を中途採用したところ、声をかけられた女性スタッフたちが浮ついてしまい、職場が混乱に巻き込まれてしまったという。

「捨てられた」と休みがちになった人も

――アパレル商社の人事です。中途入社したA君のことで、事業部長から相談を受けました。

   1年前に大手メーカーから転職してきた29歳。涼しい目元のイケメンで、おしゃれのセンスも抜群。前職での営業成績もよく、都心にマンションを買って住んでいます。

   若い男性社員が少なく「出会いもない」と嘆いていた女性スタッフたちは大喜び。女性の扱いに慣れたA君は、仕事帰りや休日にスタッフたちに声をかけ、いろいろと遊んでいたようです。

   なんとなく職場の雰囲気も明るくなった気がしたのですが、彼の入社から半年くらい経ったある日のこと、オフィスで珍しく口げんかが起こりました。

「あんた、この間、A君と歩いてたでしょ。私見たんだから」
「べつにいいでしょ?あんたの彼氏じゃないんだし」

   また、休みがちになった新人女子スタッフに事業部長が事情を聞くと、「Aさんに捨てられた。しばらく立ち直れない」と失恋の告白をされたのだそうです。

   別の女性によると、A君のマンションに行ったと見られる女性は、職場の3割にものぼるのだとか。事業部長は「ある20代のコなんか、中絶したって噂まで流れてるんだよ」と顔を曇らせます。

   A君自身は、勤務中は仕事をバリバリしていて業績も上げているのですが、周囲の女性スタッフが翻弄されているのは間違いありません。同僚の男性社員の中には、嫉妬からか「あんなサイテーな男」と口も聞かない人もいるそうです。

   事業部長は「うちの仕事には女性スタッフの働きが必要なんだよ。悪いけどA君の異動を調整してくれないかな」といいます。しかし、部署を変えたところで、再び問題が起きるおそれも。なんとか歯止めをかけることはできないものでしょうか――

社会保険労務士・野崎大輔の視点
合理的な理由あれば「社内恋愛禁止」も可

   恋愛は私的な行為なので、業務時間外にしている限りは、原則として会社は口を出せません。ただし、業務に影響が出ている場合には、放置することはできないでしょう。まずは事業部長がA君を呼び、「女性スタッフが君のことで悩まされている。落ち着いた男女交際をしてくれないか」と話をすればよいのではないでしょうか。サイバーエージェントの藤田晋社長も「社内恋愛するなら結婚前提で」と言っているそうです。

   就業規則の服務規律に念のため「社内の風紀・秩序を乱さないこと」という文言を入れることは必要ですが、今回のようなケースは抽象的な規定で防げるとは思えません。パワハラやセクハラが起これば、会社の管理責任が問われたり、会社のブランドに傷がついたりすることもあります。女性が中心的な戦力となる職場でもあり、必要に応じて「社内恋愛は原則禁止。上司部下は2人きりの食事もダメ」といった厳しい規定を設けることも考えられます。

臨床心理士・尾崎健一の視点
恋愛自由、自己責任として見守るか

   確かにここまでくれば、会社としても放置しておくわけにはいかないでしょう。「社内恋愛禁止」のルールを設け、破れば異動や退職の会社も実際にあります。しかし、禁止する副作用も踏まえておくべきです。男女がお互いに不必要に接近しないように気を使いすぎたり、社内恋愛に対して疑心暗鬼になったりすることは、組織として健全な状態ではないと思います。成人した男女が自由意思で行うことであり、トラブルの解決は本人同士に任せる考えもあります。

   仕事に差し支えない限り、社員間の男女で健全な交際や結婚への発展があり、それを経営者や上司、同僚が温かく見守っている状態は、ある意味で理想と言えるのではないでしょうか。会社に対する帰属意識を高める効果もあり、社内恋愛を奨励する経営者もいるようです。ルールを決めてガチガチに管理したほうがよいのか、それとも基本的には自由にして温かく見守るほうが効果的なのかは、会社の文化や仕事のタイプによって異なるでしょう。


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(本コラムについて)
臨床心理士の尾崎健一と、社会保険労務士の野崎大輔が、企業の人事部門の方々からよく受ける相談内容について、専門的見地を踏まえて回答を検討します。なお、毎回の相談事例は、特定の相談そのままの内容ではありませんので、ご了承ください。

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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