ライオン『バファリンかぜEX』現代人応援プロジェクトが、全国の20~50代の働く男女1000人を対象に調査したところ、「風邪をひいても翌日会社を休めない」と答えた人は64.1%にものぼったという。
会社の同僚や上司、部下がどのくらいの熱があったら「会社を休んでも仕方がない」と思うかという質問には、平均が「37.9度」に。38度に満たない発熱では、ひそかに「そんな程度で休むなよ」と思われているのかもしれない。
安月給なら休みやすくてよいはずだが
平熱は人によって異なるし、体調の良し悪しは体温だけでは判断できない。38度以上にならなければ会社を休めないというのも、厳しすぎる気がする。ネット上には「どんな人なら、風邪で気兼ねなく会社を休めるか」について、いろいろな意見が見られる。
労働者の権利が充実しているヨーロッパの企業では、通常の有給休暇のほかに、体調不良の際に使える「シックリーブ(病欠)」という制度があるらしい。かといって海外企業であれば、日本企業より休みやすいとは限らず、
「盲腸を薬で散らして働く。そうやって自分の地位を築く」
といった働き方を強いられる人もいるようだ。特に高給のエグゼクティブ職であれば、「風邪を引いたからできませんでした」と言い訳はできないのだろう。
一方で、年収の低い層の場合はどうか。海外では「子どもの野球大会があれば誰も来ない」職場もあるようだが、日本では高給層よりさらに休みにくいという怨嗟の声も。
「非正規は40度超えだろうとギリギリの人員で現場まわしているから、タクシーで日給の倍かかってでも出社しないと、現場が破綻そして即解雇なんだよ」
給与が低い分、休みには寛容になってくれてもよいものだが、実態は逆らしい。
しかし、明らかに体調が悪いのに無理して出社しても、能率は上がらないし、同僚にうつしてしまうおそれもある。それでも出社しなければならない理由について、
「そら『風邪ぐらいで休むな』とか言われたら、腹いせに風邪うつしに会社に行くわな」
と自嘲気味に語る人もいた。