2024年 3月 29日 (金)

iPhone4S入手顛末記(下) 同じ山を登ってきたスマホとガラケー

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「それはそうと、じゃあ、井上さんはiPhone4Sを何に使ってるんですか?」

   元アンドロイドユーザーで、iPhone4Sに乗り換えた40代の営業マンAさんに尋ねられ、言葉に詰まってしまいました。買って2週間経ちますが、ぶっちゃけ、Radikoでラジオを聴いている以外、なーんにも使っていません。ゲームはしないし音楽も聴かない、スケジュール的なことやメモも使わない。

主な用途はネットラジオとデジカメと電卓?

ガラケー派の井上氏がついに…
ガラケー派の井上氏がついに…

   Niftyのwebメールはガラケーから閲覧できるし…。プッシュ型のメール受信は、業務用なら便利この上ないとは思いますが、プライベートもSNSからのお知らせも何もかも一緒くたにしている自分には、煩わしいだけだったり。

   だいいち、こちらが定期的にメールチェックを忘れなければいいだけの話。それでトラブルになったことは、これまでにありませんし、本当に急ぎの場合は「パソコンのメールを見ておいてください」と電話か携帯メールが来ます。友人知人は、むしろNiftyのアドレスなんて使ってこない。

「ネットで地図を見たり調べものをしたりするのは、ガラケーじゃストレスあるでしょ?」

   それはありますが、外出先でネットを使って調べるものは、ごく基本的なデータや事実だけ。取材先や会合の場所は、サラリーマン時代からのクセで電話番号を手帳に控えているので、迷ったら地図を見るよりも先に電話をしてしまいます。

   ニュースも新聞社と通信社の速報・号外メールから、ガラケーでもダイレクトにサイトへ飛べて記事を読めるので、何も問題なし。そもそも、仕事ではネットにまだ載っていない情報やネタを扱うことが多いので、不要ではないものの、フルブラウザでのネット閲覧が不可欠というほどでもないのです。

「となると、月々5000円ほどを払って、携帯ラジオとデジカメと電卓とを持ち歩いていると、そういうワケですね?いやぁ、贅沢ですなぁ」

誰もがスマホにすべきというわけでもない

   たしかに、このままではそうなってしまいかねません。でも、iPhone4Sには「Siri」があります。

「だって、英語とかドイツ語ができなければ意味ないじゃないですか!」

   英語の発音を訓練する「e-ラーニング機能」だと思えばいいのです。下手な発音だと、容赦なく「アケンナンダスターン」とネイティヴ発音で言ってくれますから。したがって、正確に言えば「月々5000円ほどを払って、携帯ラジオとデジカメと電卓とe-ラーニングマシンを持ち歩いている」のです。

   手のひらサイズのコンピュータに、機能の一つとして電話も搭載させたスマートフォン。モバイルの電話を多機能化する過程で、コンピュータの性能を向上させた結果、賢くなっていったガラケー。出発地点が違っただけで、結局は同じ山を登ってきたようなものです。

   その性能は紙一重となり、あとは拡張性という優位性をどう評価するかだけとなったような気がします。もちろん、スマートフォンは通信も通話もゲームもそれなりにできる便利なガジェット、ガラケーとはカテゴリーが違うという考え方もありでしょう。

   ネットをはじめとする電子ネットワークへの通信を主に使うのか、基本的に通話を重視するのか、あるいはオールインワンの便利なデジタルガジェットが欲しいのか。それぞれのライフスタイルのなかでよく吟味して、最新型のスマホにするか高機能のガラケーにするかを決めればいいのではないか、と思う次第です。


井上トシユキ

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井上トシユキ
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。東海テレビ「ぴーかんテレビ」金曜日コメンテーター。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社新書)、「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文藝春秋)など。
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