「給料には不満だが管理職はイヤ」 バブル世代どうする

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   日本マンパワーが40代のいわゆる「バブル世代」男女208人を対象に調査したところ、仕事をする上で「給与や賞与が上がらないことが不満」と答えた人は66.3%いたという。

   その一方で、「仕事で組織に貢献したい」と答えた人は18.7%、「管理職など組織ならではの仕事に挑戦したい」と答えた人は18.3%にとどまっている。収入は不満だが、困難な職務に挑戦する気概が強いわけでもない一面が反映された結果とも読める。

「入社当時はボーナスが半年分出た」

気楽な一般社員という立場をいつまで会社は認めてくれるのか
気楽な一般社員という立場をいつまで会社は認めてくれるのか

   都内中堅商社の人事部門に勤める40代男性は、同世代の社員に調査結果のような傾向があることを認め、その原因を「日本企業の過渡期に当たったため」と見る。

「私たちが入社したバブル期には、一般職の女性社員もいっぱい入ったし、管理職のポストもたくさんあった。2年目から昇給したし、ボーナスは6か月分出た。上司の羽振りもよくて、たくさんおごってもらった。何年後かには自分たちもあのくらいもらえるといいな、と密かに期待していましたね」

   しかし、入社数年後にはバブル崩壊の影響が現場にもあらわれはじめ、有名企業が倒産するとともに、社内の状況も変わっていった。

「まず若い女性社員が、中堅やベテランの派遣スタッフに代わりましたが、仕事はそんなに困りませんでした。うちの会社のやり方にすぐ慣れるだけでなく、他社のいい手法を取り入れる人もいて、『結局あんなに女の子採らなくてもよかったんだ』ということが分かって驚きました」

   おじさん用の管理職ポストも徐々に減り、リーマンショックとともに中間管理職が一掃された。業績評価も厳しくなり、管理職になってもさほど収入が上がらなくなってしまった。

「でも、本当は当然だと思ってるんですよ。当時、ナントカ部長とかいっても、自分で何か決断するわけでもなく、机に溜まった書類にハンコ押したり、会議に出て居眠りしてるだけでしたから。要するに、働きの割りにもらいすぎてたんですよ」

同期が多く競争激化、後輩が入らず機会乏しい

   その後は、管理職ひとりあたりの事務処理が増えたうえに、これまでおろそかにされていた「企画や意思決定、経営陣への提言」など本来の管理職の仕事が厳しく要求されるようになった。

   しかし、そのような仕事をするお手本がいないので、いざ自分たちが管理職の役割を求められる番になっても、

「何をどうしていいのか分からない」
「必要な経験やスキルが身についていないことに気づいた」
「できればやりたくない」

という人が多いのが現状で、それを「過渡期のせい」と感じているということらしい。

   調査元の日本マンパワーでも、40代バブル社員の歴史を考えると、気の毒な点もあるのではないかという。

「チヤホヤされて入社して、しばらく甘やかされたのは事実だと思うんですが、その一方で同期入社が非常に多くて花形部署への競争が激しく、昇進昇格も難しかった。後輩が少なくてヒラ社員として使われてきた期間が長いし、実践を通じてマネジメントやリーダーシップを学ぶ機会も乏しかった。それがこの年齢になり、こんなはずじゃなかったと感じているのでしょう」

   この不安は、自分の今後の仕事における「キャリアビジョン」が見えないことによるものであり、厳しい就業環境を認識し、「強み」に焦点を当ててキャリアルートを検討する必要がある。日本マンパワーでは定期的に「自分の過去を振り返り、強みを見出す研修」を実施しているという。

   しかし、全ての人が強みを生かし、今後進むべき道を見出すことができるだろうか。もしかすると、かつて思い描いた姿と現実とのギャップを受け入れることが、最大のポイントになるのかもしれない。

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