2020年 10月 25日 (日)

企業は「ネットの風評」をどこまで有効活用できるか

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   富士通と富士通中部システムズは、ツイッターやブログなどの「ネットの風評」を監視、分析するソフト「QRMining」を販売すると発表した。行政が公開する消費者情報や、コールセンターのクレーム情報などと組み合わせ、「市販製品の重大な不具合の予兆」を発見し、迅速な対策を打つことを可能にする。

   テキストデータからクレームを抽出する「テキストマイニング技術」と、クレームとそれが引き起こすイベントの隠れた因果関係を発見し、異常状態の予兆を検出する「複合多系列分析技術」を活用しているという。企業にとってやっかいな存在だった「ネットの風評」を逆手に取るわけだが、果たしてうまくいくものなのだろうか。

「強制リコールや株価下落を未然に防ぐ」

「うわっ。うちの製品、評価低すぎ!」
「うわっ。うちの製品、評価低すぎ!」

   企業に対する不満は、本来は企業に直接寄せられるべきものだ。しかし、ネットの普及によって、企業や製品、サービスに対するグチや不満はリアルタイムで共有され、急速に拡散することも多い。2ちゃんねるやツイッターで「炎上」する場合もある。

   新ソフトには、こういった「ネットの声」に敏感になることで、ネガティブ情報の広がりや、製品の不具合を原因とする事故、ひいては強制リコールや株価変動などの大型損失を未然に防ぎたい、というねらいがあるようだ。

   クライアントは、自動車メーカーや電気メーカーが想定されている。このシステムがあれば、アクセルペダルやブレーキの不具合が大規模リコールにつながったトヨタのケースも、あるいは未然に防げたかもしれない。

   ネット上にはソフトの有効性について、「ネットの書き込み見てからじゃ遅いだろ」と疑問を呈する声や、「(他社に)売る前に自社で使って製品改善しろ」という厳しい書き込みも見られる。専用ソフトがなくても「2ちゃん(ねる)のスレ(ッド)をウォッチしていれば相当のことが分かる」と指摘する人もいた。

   都内のメーカーに勤務する30代男性のAさんは、「データ分析には高度な技術が使われているのだろう。自社でも興味がある」としつつも、これを有効に使うためには、技術とは別の課題があるのではないかという。

「最近、スマートフォンの新製品などで、大きな不具合が出ることが目立っていますけど、会社側は『ネットの風評』を分析するまでもなく、本当はどんな問題が起こりうるのか薄々分かっているんじゃないか、と思うんですが…」
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