2024年 4月 20日 (土)

お坊さんもSNSで喜怒哀楽したっていいじゃないか

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   最近では珍しくもなくなった寺社仏閣のホームページ。なかには、管理者や作成者が寺のお坊さんや神社の神主さん自身、というケースもあります。

   筆者の知人で僧侶の資格を持つAさんによれば、ケータイはもちろん、スマートフォンやタブレットPCを生活のなかで駆使しているお坊さんや神主さんも、ごく普通の存在だそうです。

「そりゃあ、そうですよ。これだけ普及してるんだから。檀家さんや家族との連絡にも便利ですしね。若い連中のなかには、ミクシィやフェイスブックにコミュニティをつくって、いろいろやり取りしているのもいますよ」

飲み屋で愚痴ると「煩悩だらけ」って言われる

お坊さんとSNSというのも、なんだか妙な組み合わせですが…。
「いやいや、仏さまの教えを広めるためですから。そのための手段には、もともと制限はないんですよ。ただ、若い連中のコミュニティには、別の意味もあったりするんですけどね」

   お坊さんにも、さまざまなタイプがいます。禁欲的な人もいれば、とても人間的な人もいるわけです。

   しかし、世間の目は一様に「お坊さん」として見てしまいがち。人間的な人のなかには、仕事や恋愛に悩んでいたり、愚痴ってみたいと思っているのもいるのです。

「都会ならともかく、地方だと飲みに行ったり、遊びに行くところも限られているから、下手に飲み屋や喫茶店で愚痴っちゃったら、あいつ坊主のくせに煩悩だらけじゃねーか、なんて言われちゃうでしょう(笑)。それがまた、あっという間に近所に広まったりするし」

   そんなときに、クローズドなネット上のコミュニティに、愚痴や悩みを書き込んだりするのだとか。

「イマドキの若いのは、普通にライブとか行って『いやー、盛り上がりましたよぉ!』とか言うんです。これも、仲間内なら別に普通だと思ってても、なかにはフザケてるんじゃないかって思う人もいるでしょう。別に喜びを表すのは、仏さまの教えに背くことでもなんでもないんですけどね」

   宗教とネットというと、いわゆるカルトがネットを利用してシンパを囲い込むといった、負の面がこれまでは有名でした。が、衆生のみならず、お坊さんをも救うという「正の面」もあるんですね。


井上トシユキ

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井上トシユキ
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。東海テレビ「ぴーかんテレビ」金曜日コメンテーター。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社新書)、「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文藝春秋)など。
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