2018年 12月 12日 (水)

「不景気だから値引き」の営業マンなら生き残れない

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   はじめに断言します。ネット通販全盛の現在、リアル営業で安売りを続ける営業マンは生き残れません。「不景気だから値引きしなければ売れない」と主張する人は、まっさきにリストラ候補に上がってしまうでしょう。

   価格の競争になってしまっては、大量仕入れ・大量販売、徹底したコストカットの上に成り立つネット通販には到底かないません。そこでクビにならない営業のあり方について、いま勢いのある他の業界の例を基に考えてみます。

「エブリデー・ロープライス」の行く先は給与カット

「値引きできないから売れない」と嘆く営業マンはネット通販に置き換えられる
「値引きできないから売れない」と嘆く営業マンはネット通販に置き換えられる

   スーパーマーケットで昨今浸透しつつある「エブリデー・ロープライス」(Every Day Low Price=EDLP)戦略。「目玉商品」を折り込みチラシで知らせて従来の集客方法ではなく、目玉はなくともおしなべてどの商品も常に一定水準以下の価格を実現するという、究極の低価格戦略です。

   米ウォルマートが始めたこの手法の裏には、「チラシの廃止」や「特売廃止」といった徹底したコストカットがあります。日常的低価格戦略であるEDLPは、「エブリデー・ローコスト」(Every Day Low Cost=EDLC)が支えているのです。ネット販売のEDLPにも、バーチャル営業やオペレーションの自動化によるコストカットの裏付けがあります。

   一方、値引きでクロージングしたがる安売り営業マンには、構造的なコストカットの裏づけがありません。言ってみれば「勝手にEDLP戦略」の体現者。これを不景気だから仕方ないと考えていると、本人の命取りになります。

   なぜなら経営は「勝手なEDLP営業を続けるのであれば、EDLCも一緒に実現すべきだ」と考えるからです。つまり待っているのは給与カット、さらには解雇。安売り営業の行く末に未来はないのです。

   では、安売りせずにどう生き残るのか。企業コンサルタント野口吉昭氏の近作『「ありがとう」が人と会社を幸せにする』には、EDLPの嵐が吹き荒れるスーパー業界でも、安売りの波に呑まれずしっかり顧客をつかんでいるお店が紹介されていました。

   そのお店とは、京急グループの「もとまちUNION」。横浜の本店のほか、鎌倉、葉山や新宿、六本木など8つの支店を広げています。同店は、こだわりの品ぞろえがモットー。とにかく素材もデリカも鮮度、品質、品ぞろえが半端じゃありません。価格は高くとも売れる理由がそこにあります。

   ここから学ぶ営業のヒントは、対象とする顧客(このスーパーでいえば富裕層の住む立地)の選定と、同業他社にはない自社の「価格以外の強み」を徹底的に追求して売り込むことです。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。執筆にあたり若手ビジネスマンを中心に仕事中の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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