泥沼にはまらない就活「自己分析」のやり方は――リクルート・岡崎氏に聞く

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   2013年新卒の就職活動が本格化してきた。さっそく内定をもらったと喜ぶ学生もいるが、不採用のメールを受け取った人もいる。とはいえ、エントリーシート(ES)を受け付けている企業はまだまだ多いので、不安に思う必要はない。

   悩ましいのは、不採用の「お祈り」メールが続くと、自分の人格が否定されたような気がして、新たなESを書く気力がなくなってしまうことだ。特に、自分の強みなどに関する「自己分析」をしている最中に、泥沼にはまってしまう人が多いという。

「他人が知っている自分の長所」に目を向ける

自己否定の悪循環に入ることは避けたい
自己否定の悪循環に入ることは避けたい

   自分の強みや好きなこと、得意なことを主張したつもりなのに、会社に受け入れてもらえないと、「それは自分の長所じゃなかったのか」「自分には強みはないんじゃないか」と感じてしまうのも理解できる。

   そしてそのうち、「自分は大学で何をしてきたのか」「これまでの人生で、私は自分の頭で考えてきたことなんて一度もなかったじゃないか」と自己否定の悪循環に入ってしまうおそれもある。

   しかし、20代前半で社会人経験もない学生に、そこまで厳しい自己分析を求めている会社などないと考えるのが自然だろう。あくまでも、自分のキャラクターを相手に分かりやすくアピールすることに照準を当てた自己分析にとどめたい。

   就職サイト「リクナビ」の岡崎仁美編集長によると、自己分析で泥沼にはまらないためには、自分だけで考えた自分の長所に加えて、「他人が知っている自分の長所」を知り、自分でもそれに気づくことが大事だという。

「就職活動が行き詰ると、『他人は知らない自分だけの領域』を掘り下げてしまいがちです。そうすると、普段は他人に見せないように努めている自分のマイナス面ばかりに向き合うことになり、滅入るばかりです。それよりも、『自分では気づいていないが他人が理解している良さ』を知り、自分の言葉で言い換える方が客観的ですし、アピールには有効なのです」

   具体的には、バイト先やゼミ、部活などで一緒に何かに取り組んだ経験のある人に、「自分はどういうときにどんな力を発揮できるのか」と尋ねる方法が考えられるという。

   また、自分自身の根源的な特徴を把握したいときには、小さいころの姿を知っている親きょうだいや親類に頼んでみるのも一計だという。「三つ子の魂、百まで」というわけだ。

視野を広げて「相手を知ること」にも注力する

   また、岡崎編集長は、自己分析のポイントについて、自分のことだけでなく、相手企業のことも分析し、その会社で自分は何ができるのか、何をアピールすべきかを考えることも大切だと指摘する。「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」というわけだ。

   確かに、リクルートが発表した『就職白書2012』でも、「学生の自己分析が不十分」と答えた企業(20.6%)よりも、「業界研究が不十分」(33.9%)、「仕事・職種研究が不十分」(32.3%)と答えた企業の割合が10ポイント以上高かった。

   自社の研究が足りない学生に対し、企業が「あなた、なんでうちを受けに来たの?」と問いたくなるのは当然だ。しかし、この問いにもうまく答えられない学生は少なくないという。

「毎年、就職活動生からもっとも多く聞かれるのが、『志望動機が作れません』という悩みです。知らないことは、やりたいと思うことができません。自分を知ることに偏りすぎず、『相手を知ること』にも注力してほしい」

というのが、岡崎編集長からのアドバイスだ。

   そもそも自己分析に正解はない。焦りが高まったときこそ顔をあげて視野を広げ、自己分析を目的化したような行動をとらないように注意したい。

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