日本の魅力紹介にあえて徹した全日空ウェブサイト「IS JAPAN COOL?」

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   全日空が、魅力ある日本を海外に紹介するウェブサイト「IS JAPAN COOL?」(日本ってカッコイイ?)を開設している。日本の慣習やスポットを英語で紹介し、「COOL」かどうかを投票してフェイスブックでシェアできるようになっている。

   サイトにアクセスすると、2分弱の動画が流れる。日本人が見ても「バラエティに富んだ楽しそうな国だな」と思えるものだ。同じ動画はYouTubeで公開され、1か月で1万6000回以上が再生、「It's Super COOL.」などと絶賛するコメントがついている。

人気上位は「おもてなし」「ハイテクトイレ」「温泉」

外国人に人気の「ハイテクトイレ」の紹介ページ
外国人に人気の「ハイテクトイレ」の紹介ページ

   動画終了後は、日本のよさを33項目で紹介したページに飛ぶ。記事公開時の投票ランキング(COOL数順)は、1位が「おもてなし(Japanese Hospitality)」である。2位以下には「ハイテクトイレ」「温泉」「富士山」「次世代型自動販売機」などが続く。

   2位の「ハイテクトイレ」のページでは、日本のトイレ事情が紹介されている。入室すると自動的に蓋が開き、便座が暖かく、使用後にシャワーで洗えるトイレの動画とともに、それが日本の家庭をはじめとしてほとんどの建物に備えつけられていることが説明されている。それが当然と思っている日本人には分からない魅力だ。

   このほか、「キャラ弁」が6位、「原宿ガール」が8位と健闘し、伝統的な観光地である「厳島神社」や「雷門」よりも上位に来ているのが目を引く。いまの外国人の日本に対する興味関心を反映している。

   ただし、「温泉」や「富士山」、観光地にNOT COOLをつける人は少数だが、「メイド喫茶」や「アイドル」「原宿ガール」にはNOT COOLも多く、賛否両論状態になっている。とはいえ、観光客の誘致にはCOOLの数に注目すべきであり、こういう項目も入れておくべきだろう。

   従来の企業広告では、リスクの低い伝統的な観光情報のみを選んで出してきた傾向があるのではないか。全日空は自社のイメージより先に、日本の魅力をまるごと紹介する手法を選んだようだ。また、「おもてなし」が1位にあがっていることは、日本の航空会社を選んでもらう上でも好都合だ。

方法は「自社の優位性をアピールする」だけではない

自社の宣伝を前面に出さずに訴求する
自社の宣伝を前面に出さずに訴求する

   従来は「空の旅は全日空をご利用ください」とアピールしてきたウェブサイトで、企業の伝えたい宣伝文句ではなく、日本の魅力の訴求に徹している背景には、海外から日本への観光客が減少していることがある。

   日本政府観光局の発表によると、2012年2月の訪日外国人数は54万8000人で、前年同月に比べ19.3%減。東日本大震災が発生した11年3月から、12か月連続で減少したことになる。

   このような背景から、全日空は他社比較よりも、日本に旅行に行きたいという潜在ニーズの喚起が必要だと判断したのだろう。「日本は安全です!」と声高にアピールするよりも、普通の日本の姿を紹介する方が効果的だ。

   また、「IS JAPAN COOL?」のサイトでは、ペア航空券が当たるキャンペーンが展開されている。日本への関心が刺激された訪問者の意識を、「日本に行くなら全日空」に誘導するしくみだ。

   自社の宣伝文句に頭をひねるだけでなく、顧客のいまの気分や、自社が属する業界全体が求められていることに敏感になるのが大事だと、このサイトは伝えている。このほか全日空のサイトでは、世界に先かげて就航させている新世代機ボーイング787を紹介するコーナーも好評のようだ。(岡 徳之

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