要領よく成果を上げている人には、意外な工夫がある

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   仕事で成果を上げるためには、地道な努力は欠かせません。営業で言えば、見込み顧客をリストアップし、そこから確度の高そうな対象を選び出して、件数をひたすらこなすといったことがひとつの王道です。

   しかし、中には遊んでいるように見える人が、要領よく大きな結果を上げることもあります。その理由は「運不運」だけでなく、「経験」と「勘」をフル稼働した工夫をしている場合もあるのです。

飲み会という「人脈営業」を真面目にしているのかも

要領のよさの裏には工夫がある
要領のよさの裏には工夫がある

   例えば、会社を早々とあがり、ひたすら飲み歩いている人が、そこで出会い頭の偶然に仕事をもらってくることがあります。

   飲み会や合コンで出会った人経由で仕事をもらってきた人を見て、「遊びの場でいい加減な仕事をして」と、自分の正攻法の努力が無になった気がしたり、やる気がなくなったりするかもしれません。

   しかし、こういった形で成果を上げる人の中には、いわゆる「人脈営業」という手法を巧みに実行している場合があるのです。

   私の知人に金融業界でトップクラスの業績を上げる営業マンがいます。彼は毎月のように「日本酒会」を開き、日本酒のテイスティングをしたり、仲間たちとウンチクを語り合ったりしています。

   彼の「真剣な遊び方」を見て、「この場所だったら是非連れていきたい」と友人知人を紹介する人が次々と現れ、大変な人脈を形成しています。参加者たちは、昼間の仕事では実現できない出会いを楽しみにしています。

   彼の会は、もちろん趣味のものですが、営業の仕事にも活かされています。会の運営の誠実さを見て、彼とお客さんになりたいと考える人が多くいるからです。

   同じようなやり方は、他の業界の営業でも応用できるでしょう。気をつけたいのは、営業という「下心」が出すぎないことと、やるからには地道に続けることが大事です。続けることで信頼は高まり、人脈が積みあがっていきます。

お昼休みの電話番から大きな仕事が

「あいつはラッキーな仕事ばかりに恵まれている」

   そんな被害妄想に駆られているのはFさん(28歳)。売上数字に追われて大変な日々を過ごしています。ある日、同じ職場の同僚とランチを食べて帰ってきたところ、同期のHさんがお客さまからの問い合わせ電話を受けていました。

「急ぎで仕事をお願いしたい。今日にでも来てくれないか?」

   こうした問い合わせが来たとき、それまでに取引がないお客さまの場合、電話を受けた人が担当することになっていました。Hさんが夕方に訪問から帰ると、

「課長、大手の会社から年度内に1000万円の仕事が取れそうです」

と報告。お昼休みの電話番で、3か月分の売り上げ目標を達成してしまったのです。

   Fさんは「おめでとう!」と称えたものの、何となくしっくりいきません。自分が毎日積み重ねた努力より、偶然の産物の方が大きいなんて…。

   でも、このケースは、年度末の予算消化の仕事が来る可能性のある時期に、昼食を早めに切り上げて電話番を引き受けていたHさんの手柄です。「運と勘」に基づく工夫の勝利といっていいでしょう。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。「高城幸司の社長ブログ」
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