若者のスマートフォンユーザーに「LINE」が流行している。NHNJapanが提供するアプリで、登録ユーザー数は3000万人を突破、世界16カ国のAppStoreで無料1位を獲得した。電話番号を知らなくても、相手のIDさえ分かればスマートフォンで無料通話ができるほか、無料でメッセージを送ることもできる。海外通話も無料だ。スマートフォンのアドレス帳に登録されている人を検索して、IDを表示してくれる。同じような機能はスカイプやカカオトークといった他のサービスにもあるが、「スタンプ機能」はLINEにしかない。これがいま若いスマホユーザーに大人気なのだ。相手も「了解」のスタンプで返してくれた細かいニュアンスが伝えやすいLINEの「スタンプ」スタンプとは、従来の絵文字や顔文字とも異なる大きめな画像で、LINEのメッセージとして送信できる。文字に添付してもいいし、スタンプ単体で送ることもできる。LINEに登録すると、無料で約200個の絵文字やスタンプが使える。スタンプだけで意思疎通をしている人もいるらしい。スーツを着たクマが走る絵は「行ってきます」、ビールジョッキとクエスチョンマークで「きょう飲みに行かない?」といった具合だ。無料スタンプだけでもかなり遊べるが、最近になって売り出された有料のスタンプが人気だという。ガチャピン、ムックやスヌーピー、天才バカボンといったキャラクターでも、1セット85円から170円とお手軽価格だ。仕事にも使えるスタンプはないか、とチェックしてみたところ、人気漫画家による「地獄のミサワ(謝罪編)」を発見した。胸の前に手を合わせて謝るポーズ、腰を45度・90度に折って謝るポーズ、土下座して謝るポーズなど、約40個の「謝罪向けスタンプ」が用意されている。ちょうど友人との待ち合わせに遅れそうになったので、試しにこのスタンプを使ってみた。「大変申し訳ありません!池田です。10分遅刻します…」メッセージとともに、2つのスタンプを投入。相手から「はいー」と寛容な返事が来た。単純なメールより和んでもらえたのでは・・・と思っていると、相手からも「地獄のミサワ」で返事が。右手を上げている。こ、これは「了解」という意味ではないか!すぐに最敬礼したミサワを返した。許されるかどうかは、普段からの関係性で決まるスタンプなら何でも許されるわけではない少し間をあけて、再度「すみません、5分遅刻します!!」とメッセージを送ってみた。今度は陽気なスタンプを使ってみた。すると、いきなりクマがウサギの顔を膝蹴りするスタンプが。これは怒っている!すかさず「うお、すみません!!!」と返事を送る。LINEには個別メッセージだけではなく、グループメッセージ機能もある。まとめ役の誰かが「○○チームグループ」といったグループを作ると、すべてのメンバーに自動的にメッセージが配信される。もしLINEのグループの同僚から、スタンプで遅刻の連絡がきたらどう思うだろうか。男性会社員に聞いたところ、「一緒に合コンに行くような、かなり仲のいい部下なら怒らない」(37歳)「かわいい女子なら許そうと思う」(28歳)と意外に寛容な返事が。要するに、どんな形の遅刻連絡であっても、遅刻の度合いだけでなく普段からの関係性によって、許されるかどうかが決まるようだ。(池田園子)
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