「労働力を消費する仕事」では、いつになっても給料はアップしない

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   「こんな会社にいてもしようがない」。そう感じたとしても、次にやりたいことが見つからなかったり周囲から反対されたりして、今の会社をなかなか辞めにくいものだ。本人にも違和感の正体がよくわからず、当面の給料を得ることを優先しがちである。

   しかし、作家で出版社経営者の木暮太一氏は、目先のキャッシュだけを追い求めて「将来に何も残らない仕事」ばかりしていても、給料は上がっていかないので、自分の労働力を投資できる「将来の土台を作る仕事」に就くことを勧めている。

その経験は「将来への積み上げ」になるのか

(木暮太一著『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』)
(木暮太一著『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』)

――「労働力の価値」を積み上げていけば、やがて土台ができ、給料の基準金額を引き上げることができます。…労働力の価値を積み上げるには、「自分の労働力を消費せずに投資する」という考え方が必要です。

   今日の仕事が今日で終わってしまい、何も積み上げを生まない場合、それは労働力を「消費」していることになります。たとえば、ある場所に1日立っていたら1万円もらえる仕事があったとしましょう。ただ突っ立っているだけで、1万円もらえるわけです。

   とても楽ですよね。たしかに立ち続けるのは少し体力的にしんどいですが、それでも何もせず、何も考えずにお金をもらえるのは「いい仕事」です。

   ところが、「今日1日立っていたこと」は、みなさんの将来を考えたときに、何か「積み上げ」になっているでしょうか。

   答えは「NO」です。なんの積み上げにもならない、将来なんの役にも立たない、ムダな仕事です。強いて言えば、「1日立っている自信がつく」くらいでしょうか。これが、「労働力を消費する」ということです。

   一方、「労働力を投資する」とは、今日の仕事が積み上げになり、「将来の土台を形作る」という意味です。たとえば、社長のカバン持ちとして、一日中、重要顧客をまわり、打ち合わせの議事録をとる仕事を日給2000円で命じられたとします。丸一日働いて2000円なので、時給に換算すると、とても割に合わない仕事かもしれません。

   しかし、社長と重要顧客との打ち合わせに同席し、高レベルのビジネスの現場を目撃できることは、必ず将来の糧になります。その1日で得た経験が、将来への積み上げになるのです。

   これが「労働力を投資する」ということです――

(木暮太一著『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』星海社新書、237~238頁より)


(会社ウォッチ編集部のひとこと)

   木暮氏は、労働者は「長期的な資産を作る仕事に目を向けるべきだ」と強調し、それによって「給料の土台」を作ることができれば、日々の労力を増やさなくても給料を引き上げることができるとしている。「給料の土台」を作るためには目先のキャッシュを追い求めず、インセンティブなど目の前の「ご褒美」につられずに長期的な視点で仕事をすることが重要であると説く。

   将来に役立つもので、かつ高いお金をもらえる仕事がベストだが、そんな仕事にはなかなかありつけない。そんなときは「時給は高いが将来に何も残らない仕事」より「時給は低いが将来の土台を作れる仕事」を優先してはどうかという。いまの会社に勤め続けるべきか否か、迷ったときの指針となるのではないか。

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