顧客満足は「売った後」に高める――勝ち残るリアル営業(8)

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   ネットに対抗する「リアル営業」のあり方を検討してきましたが、いよいよ最終ステップになりました。今回は、価格を提示してめでたく「成約」を果たした後に行う「継続アプローチ」について説明します。

   会社の営業成績は「成約」をもってカウントされますが、顧客にしてみれば、これまでニコニコと足しげく通ってきた営業マンが、表情を変えてぱったりと顔を見せなくなると、「ああ、結局はモノを売るだけの用だったんだ」とガッカリしてしまいます。

   すると、自分の判断で買ったはずのものが、急に売りつけられたように思えてきます。顧客満足は、商品やサービスを購入した後にも高められるものです。リアル営業では「継続アプローチ」で満足度を高め、顧客との関係性を構築していくことが大切です。

「買ってよかった」と思わせる継続アプローチ

営業は「成約」で終わりではない
営業は「成約」で終わりではない

   全国トップクラスの国産車カーディーラーのAさんが、「成約」の後に行っていることをこっそり教えてくれたことがありました。彼によれば顧客というのは、特に高額商品を購入した後には「自分の買い物は正しかったのか」と不安になるそうです。

   そこで彼は、顧客が購入した車種に関する情報を、カー雑誌やネットを徹底的にチェックして集め、特によい情報を顧客にこまめに届けています。

   カー・オブ・ザ・イヤーなどの受賞記事はもちろんのこと、専門家が他車との比較で高評価を出した記事、一般ユーザーの「愛車自慢」のコメント、果ては「あの有名人も同型車に乗っているらしい」という芸能ネタまで…。

「お客さまが気分をよくする情報を、とにかく耳に入れるわけです。そうすることで『やっぱり買ってよかったんだ』と思ってもらえればこちらの勝ちです。私から商品を買うことは気持ちがよいとインプットされれば、その後も付随サービス契約や買い換えに向けた継続アプローチが、容易にうまくいくようになります」

   これにより、営業が「成約」の時点で終わりではないということが、お分かりいただけたでしょう。営業マンを使うなら、それなりの額の商品・サービスを扱うでしょうから、継続アプローチへの配慮はなおさら必要になるわけです。

「カスタネット営業」から「ドラム営業」へ

   とはいえ、成約を果たした直後の顧客へのアプローチは、なかなか難しいものがあります。いったん成約すると、しばらく顔を出さなかったり、反対に矢継ぎ早に他の商品を売ろうとする人もいますが、いずれもよくありません。

   顧客へのアプローチが急速にパワーダウンしてしまう営業マンは多いですが、この現象は誰が名づけたか「カスタネット営業」と呼ばれることがあります。要するに「ウン・タン・ウン・タン…」と、「休んで・打って・休んで・打って…」というパターンになってしまうのです。1回打って1回休む、まさにカスタネット。

   それとは逆に、1度の「成約」を得てチャンス到来とばかりに、引き続き強力にリズムを無視して「連打営業」する人もいます。しかし相手も自分も息切れしてしまい、しまいにはうるさい奴と敬遠されてしまいます。

   リズムを打つ強弱や叩く場所を変えながらも、常に音の出る形でリズムをキープする「ドラム営業」。売り込みモードを弱めつつ、1度の成約で油断することなく、次のプレゼンに備えて適度なアプローチを続けて関係を強くすること。それが「継続アプローチ」のポイントなのです。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。執筆にあたり若手ビジネスマンを中心に仕事中の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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