最近の営業マンは、いきなり売り込んでくる人が多くて困る

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   私はいま、地元・熊谷の街おこし「くま辛」というプロジェクトに参加しています。熊谷といえば、日本一暑い街。真夏には40度近くにもなります。そんなネガティブなイメージを逆手にとって、辛い食べ物を出す地元の飲食店を増やそうという企画です。

   PR担当としてメディアに出ることが増えるにつれて、「2足のわらじ」の片方であるカレー店には、以前にも増してさまざまな営業マンが攻勢をかけてくるようになりました。そこで今回は、私が最近出会った実例を紹介しつつ、これまで解説してきた「リアル営業のあり方」を具体的に検証したいと思います。

最初にちょっと持ち上げれば、印象はずいぶんよくなる

営業のレベル低下には目を覆いたくなる
営業のレベル低下には目を覆いたくなる

   率直に申し上げて、最近の営業のレベル低下には目を覆いたくなります。特に弱いのは、「事前調査」から「カットイン」「ヒアリング」という、リアル営業の第1フェーズ。彼らはセールスをしてはいるものの、ターゲットであるこちらの耳に届くメッセージを発していないので、「提案」に至るものはごく少数にとどまります。

   フットワークはいいが、とにかくいきなり売り込んでくる人が多い。いわば営業のひとりごとですね。「数撃ちゃ当たる」のも真実ですが、最低限の営業プロセスを踏まえておくべきです。逆に言えば、これをマスターすれば成果はだいぶ変わるでしょう。

   まず、お客の懐に入り込む「カットイン(切り込み)」は、大抵の営業マンが実に弱い。私などはどちらかと言えば話しやすい相手だと思うのですが、どういうわけか、いきなり本題に入ってくるのです。

   ひどい人になると、ドアを開けて入るなり自己紹介もなく、「新しいネット広告のご案内をしているのですが、ちょっとよろしいですか?」。相手と全く打ち解けることなく、いきなり営業トークを始めても真剣に耳を貸すわけがありません。こんなやり方では、成約する可能性はほとんどありません。

   相手に良い印象をあたえる近道は「ほめる」ことです。ほめられて悪い気のする人間は、よほどのひねくれ者くらい。ほめることこそ、相手と打ち解ける最大の「カットイン」手段なのです。同じ営業マンでも、こんな人がいました。

「こんにちは。この辺にしては珍しい、おしゃれなお店ですね。実は私…」

   ほんのわずかですが、店を持ち上げるようなセリフを頭につけていました。たったこれだけで、こちらの印象は随分違うものです。

マニュアル的な「誘導尋問」ではない質問を投げて欲しい

   また、アプローチ前の「事前調査」をしてこない営業マンも非常に多い。「カットイン」を効果的に行おうと思えば、必然的にいろいろな方法で、ほめる材料を探すはずなのですが。

   電話営業でよくある失礼なアプローチは、「青山カレー工房さんはカレー屋ですよね? どんなメニューがあるんですか?」という質問。営業が一方的にまくしたてないように、相手に話を振っているつもりなんでしょうが、これでは論外でしょう。

   要するに「私、ホームページも食べログも見ていないんですけど、ちょっと営業してもいいですか」と言っているのと同じですから。いまはケータイやスマートフォンもあるのですから、そのくらいは調べて欲しい。

   また、相手の潜在的なニーズをつかみ、気づきを与える「ヒアリング」も弱い。たまに質問されることがあっても、いきなり「リピート客が少なくて悩んでいませんか?」などという、自分のセールスに結び付ける誘導質問だったりします。

   相手への質問は「あなたに関心がありますよ」という強力な意思表示にもなるわけです。ですから最初は「お近づき」になるために、誘導質問ではなく単純に疑問に思ったことを、やや持ち上げ気味に尋ねるというのが望ましいでしょう。

   当店でいうなら、仮に相手が初対面の営業マンであっても、

「いかにも食べたくなるメニューは、どなたが考えているのですか?」
「この新鮮そうな野菜は、どこから仕入れているんですか?」

などと質問されると、思わずいろいろお話してしまい、相手に心を開いてしまうものです。自分の「切り込みスタイル」について、「相手に好印象や親近感をもってもらう」という働きかけが十分か、今一度見直しをしてみてください。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。執筆にあたり若手ビジネスマンを中心に仕事中の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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