2020年 8月 4日 (火)

「内部告発者を懲戒免職にはしない」 橋下市長のまっとうな見解

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   あなたの会社に「内部通報制度」はあるだろうか。内閣府国民生活局(現・消費者庁)の調査によれば、従業員1000人超の民間事業者の9割以上が内部通報制度を導入している。一定規模以上の会社では、当たり前の制度になったといえるだろう。

   では、あなたが社内で法令違反などの問題を見聞きしたら、ためらわずに通報できるだろうか。いざというとき、あなたの会社の内部通報制度は「使える」と思うだろうか。

大阪地裁、平松市長時代の処分取り消しを命ずる

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   同じく内閣府の労働者向け調査では、上司や内部通報制度を通じて勤務先に通報すると答えた人は33%にすぎない。残り7割弱は、通報をためらう理由として、

「解雇等の不利益扱いを受ける恐れがある」
「通報しても十分に対応してくれないと思う」
「職場でいやがらせを受ける恐れがある」

といった疑いをあげている。通報制度を導入しても、使う側の信頼感を高めるのは容易ではない。「使える通報制度の導入率」でみれば、かなり低い数字となるのではないか。

   実際、内部通報により通報者が不利益を受けることがある。2010年に発覚した大阪市環境局河川事務所(昨年10月廃止)の事件では、同僚の不正(回収ゴミからの金品抜き取り)をビデオで隠し撮りして告発した職員(A氏)が、抜き取りへの関与などを理由に同僚ら5人とともに懲戒免職となっている。

   A氏はこの処分取り消しを求める裁判を起こし、8月29日に大阪地裁で判決が下された。裁判長は大阪市に対し、「内部告発で長年の不正行為が是正された」ことを考慮すれば、懲戒免職処分は「裁量権の範囲を逸脱して違法」との判断を下し、処分取り消しを命じた。

   判決を受けて会見した橋下市長は、「基本的に控訴しない。僕は内部告発者をできる限り守っていきたい」と語った。橋下氏は、懲戒免職処分が下されたときは大阪府知事であったが、次のように述べて当時の平松市長の対応を批判していた。

「僕なら免職にはしない」
「自分が何も手を染めていない内部告発なんてあり得ない」
「(免職処分は)ある意味、内部告発をするなというメッセージだ」
「告発は、首長が知らなかったことを摘発してくれた大金星だと思っている」
甘粕潔(あまかす・きよし)
1965年生まれ。公認不正検査士(CFE)。地方銀行、リスク管理支援会社勤務を経て現職。企業倫理・不祥事防止に関する研修講師、コンプライアンス態勢強化支援等に従事。企業の社外監査役、コンプライアンス委員、大学院講師等も歴任。『よくわかる金融機関の不祥事件対策』(共著)、『企業不正対策ハンドブック-防止と発見』(共訳)ほか。
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