2019年 11月 22日 (金)

なぜ急に「セクハラ」呼ばわり!? いままで楽しくやってきたのに…

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   セクハラと認められる基準が以前より厳しくなったことで、職場が働きやすくなったと喜んでいる女性社員は少なくないだろう。しかし男性上司の中には、言動をハラスメントと誤解されないように気を使うのが大変だ、という人もいる。

   ある会社では、これまで許されてきた男性上司と女性の部下とのやり取りが、急に問題視されてしまったという。上司は人事部の聴き取りに対し、「なぜ彼女が急にヘソを曲げてしまったのか」と頭を悩ませている。

「ずいぶん昔からやってるネタ」周囲も首を傾げる

――人材サービス業の人事です。先日、営業事務のベテラン女性社員のAさんが、社内のハラスメント相談窓口にメールを送ってきました。内容は、上司である営業課長によるセクハラ。だいぶ以前から継続的に行われてきたようです。

   課長はAさんに対し、「今年いくつになったんだっけ?」とか「いい加減に結婚しろよ!」と言うことがたびたびあったようです。若い女性社員が結婚すると、「あとはA子だよな…」とつぶやくこともありました。

   念のため同僚に聴き取りしたところ、そのような発言はおおむね事実のようです。しかし「セクハラ疑惑」という点については、課長を強く批判する声は聞かれませんでした。

「A子さん、結構楽しそうに応じているように見えたんですけどねえ」
「調子に乗って『課長がもらってくださいよ~』とか答えてましたよ」

   2人はもう5年ほど上司と部下で仕事をしており、信頼関係があったという人も。「そのネタ、ずいぶん昔からやってると聞きましたけど?」と笑う人もいました。

   課長に話を聞くと、

「いやー、参ったよ。確かにそういう発言があったことは認める。しかし、なんで急にヘソを曲げられてしまったんだろうか…」

としょげています。心当たりがあるとすれば、先日行った半期の評価面談で前回より低い査定を伝えたとき、いきなり不機嫌になったこと。課長はAさんの働きを認めているものの、部署全体のバランスを考えると、そうせざるを得なかったといいます。

   真相は分かりませんが、もしもAさんの逆うらみだったらと思うと処分に迷います。こういう場合、どう考えればいいのでしょうか――

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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